暗黒労働現場、奴隷のように働く中国人たち

22840レンガ炭鉱工場で奴隷のように働く人たち

 知的障害者32名、
 1人当たりの人身売買価格は300元、
 1日15時間の強制労働、
 無給、
 よく頑張った人にはたまに20元~30元の奨励金支給、
 1日3食は少量の饅頭と粥で腹いっぱいにならず、
 着る服がボロボロで体を覆うことさえできず、
 監督者の指示に従わなければ殴られる、
 脱走防止のため人身自由はなし、トイレも監視付き
 ・・・
 奴隷船でアメリカ大陸に送られたアフリカ黒人奴隷の話ではない。ここ、中華人民共和国安徽省界首市レンガ炭鉱工場であった実話なのである。 (2009年5月22日「銭江晩報」報道、引用先:http://news.sohu.com/20090522/n264104458.shtml )

 安徽、山東、河南、湖南、湖北から人身売買された32名の知的障害者が、安徽省界首市の二つのレンガ炭鉱工場でクーリー(苦力)として奴隷同然に働かされていた。「これ以上見ていられない第三者」という匿名の告発を受けて警察が現場に踏み込み、炭鉱主ら10名を労働強要罪容疑で逮捕した。

 「安徽レンガ炭鉱クーリー事件」は、初めてではない。思い起こすは、2年前の2007年6月、あの有名な山西省臨汾「黒レンガ炭鉱工場事件」。

 山西省臨汾市一帯のレンガ炭鉱工場が、千人以上の未成年労働者や出稼ぎ労働者を劣悪な環境でクーリーとして酷使する実態が暴露された。子供たちは1人500元の金額で、人身売買組織によって不法に山西省のレンガ炭鉱工場へ売り飛ばされ、酷使されていた。

 「お願いだから、可哀想な子供たちを助けてください」。山西省に隣接する河南省で誘拐された子供たちの父親400人が連名で公開書簡を公表し、救援の求めを訴え続けた。河南省現地のテレビ局記者は、父親たちが身の危険を承知のうえ工場から子供40数人を救出したシーンを目撃したという。しかし、山西省の法律執行部門関係者は見てみぬ振りし、未成年労働者の人身売買に関与している一部の地方政府関係者さえ存在するという。

 この山西省臨汾「黒レンガ炭鉱工場事件」の衝撃を受けて、わずか数日後の6月29日に、労働者保護の最有力神器とされたある法律が、全人代常務委員会で可決された。

 それは、『中華人民共和国労働契約法』なのである。この神器で労働者が助かるのだ!

 そして、山西省臨汾「黒レンガ炭鉱工場事件」の2年後、労働契約法施行1年半後の今日、「安徽レンガ炭鉱クーリー事件」が起きた。変わったことがあるとすれば、人身販売価格の値下げである―500元から300元へと値段が下がった。

 法律の良し悪しを判断する基準は、ほかでなく、その法律が目指す目標を達成できるか否かにある。この基準で見れば、『労働契約法』は悪法でなければ、善法とでもいえるのか?

 労働者を奴隷のように酷使する非人道的な事件の発生理由を見ると、まず、知的障害者が自立できないため、経営者側の思うままに働かせることができ、都合がよいこと、そして、レンガ炭鉱のような低賃金3K現場で傷害死亡事故が発生した際、経営者側が簡単に賠償責任を逃れられることが挙げられる。

 このような非人道なクーリー労働現場は、これで全部なのか、検挙・暴露されたのは氷山の一角だけなのか、読者の判断に任せたい。もっとも許しがたいのは、官民結託である。民間企業は熾烈な市場競争を生き延びることを考える。地方の役人は、地方GDPが政績の評価基準であるゆえ、昇進昇格のため、悪徳商人の非人道的行為を容認し、場合によって協力する。このような官民結託の利害関係が存続する限り、同類事件はまだ起きるに違いない。

 中国は、経済成長に大きな代価を支払っている。今日も、この中国の青い空の下で、奴隷のように働く人間がいることを考えると、心が痛む。

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