フラッシュは暗い所で使うものだ?

 9月30日夜、上海大劇院でバレエ鑑賞。ロシア国立バレエ団のオリジナル版「白鳥の湖」。

 とても華やかで素晴らしい舞台だが、上演中のフラッシュの嵐で少々うんざりした。中国(上海)の場合、コンサートやオペラ、バレエ、演劇の場内撮影にはそれほど厳しく規制していない。カーテンコールの撮影はほぼ完全自由で、上演中でも大目に見ているのが現状だ。

65071_2ロシア国立バレエ団「白鳥の湖」上海公演のカーテンコール

 だが、フラッシュとなると、大きな迷惑になるのでやめてほしい。というよりも、フラッシュをたいても効かないのを知っているのだろうか。フラッシュが届く距離はわずか数メートルしかない。たとえ最前列に座っても舞台上の被写体まで10メートル以上も離れているのだ。場内、1階席だけでなく、舞台から遠く離れた2階席や3階席までパチパチとフラッシュをたいているのを見て、溜息が出た。

 スポーツ観戦も同じだ。オリンピックの中継を見ると、スタジアムの観衆席からフラッシュがあちこちパチパチしているのが定番の光景だ。しかし、どれも被写体に届いていないのを撮影者たちが知っているのだろうか。

 逆に、逆光撮影のときにフラッシュを使わない人が多い。撮ってみると被写体が真っ暗に写っていたりする。

 「フラッシュは、暗いところで使うものだ」。――この常識の被害者になっているのは一人や二人ではないようだ・・・。