ロジック、原理原則と功利主義

 ロジック?実はロジックとはそんなに難しいことではないはずだ。アメリカの場合、幼稚園や小学校でも、分かりやすいロジックを教え、思考回路の形成に取り組んでいるが、日本も中国も基本的にロジック教育を重視していないのがとても残念だ。

 法廷弁論で使われるのがロジックで、ロジックを制する者が裁判を制す(ロジックの裏付けとして、証拠がもっとも重要だ)といっても過言ではない。なんでも、自分に有利なことをばっかり主張してはダメ。どこかロジックの食い違いがいったん見つかれば、一気に相手に突っ込まれ、主張が全面的に崩れる。このようなケースは裁判現場でよく見られる。

 企業現場でも同じだ。経営者や従業員は、自分に有利なことなら何でも並べてしまう。自分に有利なことのすべてが、同じロジックで論理的に説明できれば良いのだが、それが往々にして矛盾が発生するものだ。原理原則がなく、功利主義的ないいとこ取りでは、必ずロジックの矛盾や喧嘩が発生する。

 原理原則は、軽々と翻弄してはならない。原理原則は、しっかりしたもので、ひとつしかないはずだ。原理原則に照らしてみると、たちまちロジックの矛盾が露呈する。すると、最終手段としては、「議論しない」ことだ。私はコンサルティング現場で、このような経営者や従業員を数多く見てきた・・・。