上海出張で滞在する錦江飯店の裏、長楽路沿いに「BANKURA」という欧風居酒屋がある。食通でお客様T社の総経理M氏に紹介された店である。
今回上海滞在中に再訪した。満席、ぎゅうぎゅう詰め。隣のテーブルとの距離は15cm。小さなテーブルからはみ出るワインボトルがその15cmの隙間へ落下するかしないか、ひやひやして常に気を配る。
もちろん、臨席のサラリーマンの愚痴こぼしはいやでも丸聞こえ。「日本人はこうだ、中国人はああだ」「上司のX氏はまったくダメだ」「A社はもういやになって辞めたところ、B社に拾ってもらって感謝している」「バンコクに移ろうかな」・・・。
上海在住日本人の生態、人間模様ウォッチングには最高な環境である一方、ぎゅうぎゅう詰めでもリピートする価値があるのはその「欧風居酒屋」の業態とそれにぴったり、いやむしろ居酒屋をはるかに凌駕する料理の質とワインのセレクトのセンスと価格のリーズナブルさにある。
本場イタリアたたき上げのシェフ中島氏の腕とセンスには、賛辞を探すのが難しいので論評を控えよう。それにしても、「居酒屋」と名付ける謙虚さには圧倒される。貫禄そのものだ。
御馳走様。