安保法案が違憲だ、という人はいるが、それはいま現時点、たとえ最高裁判所の判事でも言えないのである。理由は以下のとおりだ。
特定の法律が合憲か違憲かの判断について分かりやすく説明すると、二通りの方法がある。
方法一、憲法裁判所のような特別の審査機関が法案自体の違憲性の有無を審査し、判決を下す。ただし日本はこの制度を取っていない。
方法二、日本の場合、具体的な事件が発生して、裁判所が違憲審査権に基づき、立法行為や行政行為が「合憲」か「違憲」の判断をする。最終的な判断をする終審裁判所は最高裁判所である。
だから、事件があって日本がどこかの海外に派兵したり、武力使用したりすると、はじめて事件性があって裁判が可能になるわけだ。で、そこで違憲判決が出るかと言うと、非常に稀である。さらに、たとえばその海外派兵や武力使用が結果的に日本人や日本国益が守られたという明確な結果が確認されれば、なおさら違憲判決を出しにくくなるだろう。
通常、日本の司法は立法や行政の意思判断を尊重しようという姿勢を取っている。このため、安保法案の成立が諸外国の侵略や有害行為にけん制効果を発揮し、有事に至らないことが長く続けば、安保法案に対する疑念も徐々に薄れることが予想される。こうなれば結果としては、日本国や日本国民にとって良いことではないかと私はこう思っている。
安保法案の行方として、事件性なき平和な将来を願いたい。




