8月27日(土)、移動日。いつものマレーシア航空をやめて、気分転換で今回は上海発香港乗り継ぎキャセイ航空のクアラルンプール行きに乗る。
上海浦東発はドラゴン航空の機材。接続便のキャセイに乗ってみると分かったのだが、機内レイアウトや座席配置、エンターテイメント、機内食などの仕様が完全に統合されている。搭乗券もキャセイとドラゴン併記になっている。
キャセイ航空の良い点の1つは、ラウンジが独立していることだ。最近の共用ラウンジは、各航空会社の乗客以外にプライオリティパス保有者や各銀行・クレジットカードの会員も利用できるので、とにかく混雑する。浦東空港のキャセイラウンジは静かで上品、食事の品数は多くないが、上海郷土特色の小餛飩(ミニワンタン)コーナーもあって楽しい。旅の途中では、こういう汁物が欲しくなるものだ。
ドラゴン航空KA805便。離陸後はすぐにドリンクサービス。シャンパンは、テタンジェ(Taittinger)を使っていることに感心。ドンペリほどの知名度はないが、味に関して引けを取らないほど素晴らしい。サーブされたテタンジェのブリュット・レゼルヴ(Brut Reserve)は、バニラアロマが素晴らしく、肉料理の前奏曲として最適だ。
メインはやはり肉系中心になっている。豪州産アンガス・ビーフステーキを注文。オゥ・ポワヴル(Au Poivre)といって、肉に砕いた黒胡椒の実をまぶして焼き上げ、ブランディーバターソースをかけるという調理法である。
機内食にありがちな「超」がつくウェルダンではなく、食感的にはミディアム感も若干残っているところが賞賛に値する。冷却・保管、運搬・搭載、機内加熱といった後工程要素を折り込んだアレンジが施されている。機内食としては、合格点。
香港空港でのトランジット。なんといっても、キャセイラウンジのワンタン麺が楽しみだ。冒頭にも言ったように、旅の途中は汁物がほしくなる。そして香港の名物といえば、ワンタン麺。そういう旅人の心を捉えたように、ラウンジには「ヌードル・バー」が設けられている。
あの香港特有の固めの細麺はやはり旨い。香港乗り継ぎにして良かったと思う瞬間だ。かなり満腹状態で、20時20分発のクアラルンプール行きキャセイCX791便に乗り込む。そこで、上海空港から数えて4回目の食事が出る。
スモーク鴨胸肉の前菜に続き、メインはグリル・ラムチョップが運ばれる。マレーシア便はやはりムスリム乗客のことを配慮してか豚肉系はまったく影を見せず、羊肉や鶏肉を中心とした献立になっている。
肉は塩梅よく焼きあがっているので、ソースをつけずにそのままいただく。せっかく添えられたタイム(ハーブ)・ローズマリーソースは、無駄にしたくないので、ポテトグラタンにかけて食べると、また絶妙なハーモニーだ。
朝食はホテル客室のフルーツバスケットからバナナ1本だけで、午後からは機内食・ラウンジ食をなんと4食も食べ続ける自分はいささか、自己嫌悪に陥っても、反省する意思はまったくない。ちなみに、本日の食事代はゼロ。