エクスプロアさんのブログでは、独立起業の話題がとても多い。仲間に入れてよという感じで、何回かまとわりの悪い話だが、パラパラとしてみようと思った。
私が大企業を辞めて起業するかしないかと、毎日のように迷っていたころ、某大手商社上海現地法人の日本人駐在員(次長)K氏から、こう言われた。
「立花さん、気持ちだよ気持ち。本気で事業をやるなら、二足のわらじ的な考え方じゃ女々しいよ。誰にも信用されんぞ。本気だったら、会社を辞めて独立して一本でやる。だったら、私も出資します」
私は凄く納得した。もし、自分も出資者の立場だったら、自己資金を入れない、リスクを取らない「起業家」には絶対に投資する気になれない。本気度が試される。K氏の言葉も、私の独立を促す一要素になっていた。もちろん、K氏の出資意思も信じていた。後日、いざ独立してみると、とうとうK氏の出資はなかった。
数年後、上海のあるバーでK氏とばったり鉢合わせ。K氏は若い女性と一緒に飲んでいた。
「おう、立花さんじゃないですか、ご無沙汰。あのう、この彼女はね、モデルクラブを作るって、有望な経営者候補でな、俺もちょっとアドバイスして、協力でもしようかと・・・」
「Kさん、アドバイスだけにしてくださいよ。お金、出す気がなきゃ、『出資』をほのめかさないでね、それに女性ですし、まずいんじゃないですか」、私がちょっと意地悪してみた。
「そ、そ、そんなこと、ま、ま、昔のことはもう良いんでしょう」。顔が真っ赤なKさん。少し酔っていたかもしれない。うん?結構な酒豪だったはずのKさんだが・・・
でも、酔っていたら、エンジェル投資家のオーラが見えてくるかな。
結論その一、エンジェル投資家を神様と思え、心の中にいても、姿を現すことはあまりない。