起業独立体験談(2)~訳ありの中国屋たちとどぶに捨てられる金

<前回>

 独立といえば、お金がつきもの。お金がなければ何もできない。お金はないとき銀行が貸してくれないが、あるときに銀行が頭下げて「借りてください」と不思議なものだ。

 起業の資金に関して、私の場合前職の退職金数百万円がメインだった。最初の事業が失敗して、ほとんど残高ゼロ状態に達したとき、次の事業の売り上げが立ち始め、危機一髪の綱渡りだった。人間はそう簡単にくたばるものではない。

 お金を稼ごうと一生懸命に考えても、なかなか稼げない。これからは中国だ。莫大な市場、中国に行こうというのが今のご時勢だ。創業目的の日本人が大量に中国に流入している。どういう人たちなのだろうか。たとえば、日本国内で平和に年間800万円や1000万円の安定収入を得ている人は、会社を辞めて中国に来るのか?私のように、上司と喧嘩して会社にいられなくなった人間とか、つまり、「訳あり」の人がほとんどではないか。

 「これからは、中国の時代だ。中国で一旗を挙げよう」、そう単純ではないだろう。もちろん、中に筋金入りの本物「中国屋」もいる。極僅かだと思う。

 日本は資金大国だが、ベンチャーに優しい国ではない。資金はだぶついて、無駄遣いされても、有能な若い人には回ってこない。銀行は、何もかも担保を取って融資するのが、銀行が頭を使おうとしないからだ。結局、不良債権をたくさん抱え込んでダメになってしまう。

 ちょっとした資金を持っている中小企業でも、中国でたくさん無駄遣いしている。中国事業で、騙されて何億円もどぶに捨てた社長は、「日本が昔中国に悪いことをしたのだから、これくらいは補償と思って・・・」とアホなことを言い放す。中国に補償をするのがご立派、だったら、希望工程に寄付してください。悪人に持っていかれたら、テロ資金になるぞ。

 結論その二、中国で一円たりとも無駄にしない方法を考えるべし。

<次回>