企業人事労務の外注

 昨日は、北京セミナーの初日、新労働法令の総括まとめで、今日の賃金法セミナーのための事前学習だった。

 グループ顧問契約を決定した某社の副総経理がセミナー会場でこう発言した。「労働法や人事労務は複雑すぎる。われわれはとても勉強して取り掛かる余裕がない。人事労務の専門家に外注するのが一番」。

 正直私の口からなかなか言えないことを、お客様が代弁してくれたのがとても嬉しい。商売の宣伝のように受け止められるかもしれないが、それは実情といわざるを得ない。

 労働法は、法律の中でも簡単そうに見られるが、実は一番複雑な法律部門だ。世界各国の労働法が多種多様で、中国は高い労働者保護の基準をもち、かつ地方法令が雑多で、運用にもかなりのばらつきがある。そのうえ、経済情勢によって労働政策が頻繁に変化しており、それに連動した法令の運用を一つ一つ即時に正確に読み取って、企業の人事労務に反映していくことは至難の業である。

 企業は、それぞれの中核業務がある。人事をやるために人事をやるわけではない。人事労務に多大なエネルギーを費やしては決して得策ではない。外注と自社機能の比較をして、試算結果を評価すればよいと思う。

 私たち外部専門家は、なんと言っても、数百の会社のケースを見ているわけで、様々な状況のデータベースを持っている。これが一番の強みである。

 企業に最大な価値を提供できるよう、今日午後のセミナーも一生懸命がんばる。