中国は衰退する

 読者のコメントに書かれたとおり、私としても、「大手メディアの情報を鵜呑みにせず、中国進出を再考してください」と呼びかけている。

 いまや、進出日系企業の商売で食いつないでいる人や業者はたくさんいることだろう。単なる個人から立派な会社の看板を担いで、「スペシャリスト」と名乗っている人たちは数え切れないほどいるだろう。今回の日経ビジネス誤報事件(2011年4月6日付け記事「日経ビジネス誤報全面修正とお詫び、中国スペシャリスト問題露呈」)で分かったとおり、大手メディアでも決して鵜呑みして信用してはいけないことだ。

 あと3年や5年が経つと、一流誌は今度、「中国ビジネスの敗退組」の報道で特集を組み、「なぜ、中国で負けたか」と「スペシャリスト」が原因分析を始めることだろう。

 私がこう書いていると、総スカンを食らうかもしれない。それは、それでかまわない。でも、この私が書いた今日のメッセージをどうか捨てないで、3年後、5年後もう一回読み返してほしい。私がいま言っていることがやっぱり嘘だったら、踏んだり蹴ったり立花の名前をマンホールにでも捨ててください。

 先日、お酒を飲んである顧客に言われた。「立花さん、あなたはもったいない。もうちょっと角を立てないで丸くなっていたら、もっともっと稼げたのに、年間数億円なんて夢じゃない・・・」。でも、角を丸くすることは、私にはできない。顧客を怒らせても、うそはつけない。迎合のうそは絶対に付くことができない。私には、同志となる顧客企業がいる。同志となる経営者がいる。それは私の幸せだ。

 中国はいずれ衰退する。10年先は限界だろう。私はこう思う。

 「経営管理者にとって最重要の仕事とは、すでに起こった未来を見極めることである。社会、経済、政治のいずれの世界においても、変化を利用し、機会として生かすことが課題となる」。ピーター・ドラッカーは「断絶の時代」でこう語った。

 私には、私なりの「すでに起こった未来」があって、それがはっきりと見えているのである。