マングローブに学ぶもの

 海に木が生えている。それはマングローブである。

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69339b_2マングローブ探険(奄美大島)

 奄美大島には豊かなマングローブが見られる。マングローブとは亜熱帯地方の河口の湿地帯や沿岸部の干潟に生育し、潮汐によってある時間冠水される湿地に生育する樹木群のことである。海水と淡水が交じり合う塩性湿地に育つ森林といっても差支えない。

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69339b_3マングローブ探険(奄美大島)

 マングローブの生命力はすごい。不安定な泥の上に根付かなくてはならないその根っこは、タコ足のように何本も出て体を支え、酸素の少ない湿地の泥の中に効率よく酸素を取り入れる。環境に順応して進化してきたその姿は、陸上の植物には見ることができない不思議な姿である。その根元ではたくさんの小魚やカニ、貝などの魚介類が棲息している。

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69339b_4奄美大島・マングローブのトンネル

 マングローブは派手な生物でも何でもない。ただひたすら生き続けるために一生懸命だ。マングローブに学ぶものとは何か。――今一度考えさせられる。