巨額の微労所得、ミャンマーのビザビジネスは年間数十億円単位

 1月28日(月)、バンコクのミャンマー大使館でミャンマービザを申請。9時業務開始で、早朝6時過ぎにすでに並び始める。申請は午前のみで正午12時にたとえ並んでいても締め切られてしまう。

93939_2早朝から、バンコクのミャンマー大使館前にビザ申請者の長蛇の列

 ミャンマーの場合、ノンビザ入国は適用できない。マルチビザも、1年の間にシングル商用ビザ(ビジネスビザ)を2~3回以上取得し、入国した実績を積んだ人にのみ発行されるので、最初はこのように毎回毎回申請しなければならない。

 東京や北京のミャンマー大使館でビザを申請すると、正味1週間かかる。香港やバンコク、クアラルンプールなどのミャンマー大使館では翌日発行を行っているが、唯一バンコクの場合、特急料金を支払って当日発行が可能だ。ただ、翌日発の航空券を提示できなければ、即日発行に応じてくれない。

93939_3ミャンマービザ申請窓口、まず番号札をもらって呼ばれるのを待つ

 私は翌日29日のヤンゴン行き航空券を提示し、当日の夕方に無事ミャンマーの商用入国ビザを受領することができた。整理券番号札表示板を見ると、1日の受理・発行件数は500件以上に上る。1件につき平均3000円の申請料で試算すると、大使館の月間「売上高」は3500万円以上、「年商」が5億円規模に達する。パスポートにステッカーとスタンプだけの商売で、人件費等の固定費を引いてかなりの利益になる。

93939_4苦労して手にしたミャンマーの商用入国ビザ

 先進国との物価差を加味すると、このバンコクのミャンマー大使館単体だけでも、年間数十億円規模の実質的、不労所得ならぬ「微労所得」を手にすることになる。ミャンマー政府にとって重要な収入源の一つになっていることは間違いないだろう。