祝ハチ14歳誕生日、「相互見守り生活」に伴う決断

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 2025年8月6日、我が家の次男ハチが14歳の誕生日を迎えた。体重16kg、人間に置き換えればおよそ72歳。還暦を過ぎた私より、さらに12歳も年上となった。

 日々の暮らしのなかで、互いの足取りが少しずつゆっくりになっているのを感じる。目が合う回数が増えた気もするし、互いの気配に対する感度も、若いころとはどこか違う。もはや私が世話をしているというより、「老々介護」ならぬ「相互見守り生活」かもしれない。

 そんな節目の日に、私はひとつの決断を下した。長年続けてきた中国への定例出張を、2025年9月をもって終了する。あまりに馴染んでしまったルーティンで、惰性のまま継続することもできた。だが、今、自分にとって「何が遠くて、何が近いのか」「何が重く、何が大切なのか」。その問いに正直に向き合った結果が、この決断だった。

 ビジネスの現場から一歩引くということは、ある意味で「手放す」ことでもある。だが、その手で、新たに何かを抱き直すこともできる。たとえば、老犬のあたたかな体温であり、静かに流れる時間であり、そして、還暦を迎えた自分自身のこれからの人生そのものでもある。

 ハチ、誕生日おめでとう。君のおかげで、私は人生の舵を一つ、確かな方向に切ることができた。

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