マラッカの風(1)~郷愁的なラテン欧州の面影を求めて

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 マラッカ、クアラルンプールから車で2時間半。2泊の小旅行に出かける。

106854_2106854b_2セントポール教会礼拝堂史跡とキリスト教会

 学生時代、歴史の年号暗記が大嫌いだったが、歴史そのものが大好きで、歴史の街を歩くのも大好きだ。マラッカに旅情を覚えたのは、その独自の歴史と文化。いや正確にいうと、ポルトガルの面影である。

 それとよく似た街で、スリランカのゴールとマカオがある。マカオは昨今、中国人成り金のラスべカスと化し、旅情どころか最後の一縷のセンチメンタルも無情に奪い去られた以上、私は二度と足を運ばなくなったのである。

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 私はヨーロッパが好きだ。アングロサクソンのヨーロッパよりも、ラテンのヨーロッパが好き。陽気なラテンよりも郷愁的なラテンが好き。90年代から、南ヨーロッパを旅してフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ハンガリー、ギリシアを回った。中でも、ポルトガルという小国を1週間もゆっくりと時間をかけて旅し、そこで私が描いた郷愁的なラテン欧州を見付けたのである。

106854_4106854b_4宿泊先のマジェスティック・マラッカ

 大のポルトガルファンになった私はその後ポルトガルの面影を探し求め、あちこち旅をした。マラッカはまさにこの目的で訪れたのであった。

<次回>