リアリストとリベラリストの争い、理想だけでは完結できない世の中

 「イスラム国」の日本人殺害予告。衝撃が日本国中に広がっている。中東やイスラム、遠い彼方の他人事と思えなくなった狭き地球・・・。

 人質となった2人の日本人、無謀なシリア入国や戦場入りの行為でかなり非難されているようだ。決して「勇敢」と思えない行動で称賛に値しなかろう。原因はどうであれ、国家としてはやはり在外邦人の保護に責任があるので、最善を尽くすべきであろう。

 またもや日本国憲法の前文を想起する。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」。諸国民は全員が全員で平和や公正、信義に満ちたものではない。非道な連中がうようよする世の中、被害者になったとき、安全や生存をどう保持するのか。信頼や決意で解決できる問題ではあるまい。

 リアリストとリベラリストの争いが絶えないなか、それぞれの信条や理念もあるのであろう。理想だけで完結できるものなら、私もそんな甘美なリベラリストになりたい。