ダトゥになりませんか、マレーシアの名誉ある称号とは

 「ダトゥになりませんか」

 マレーシア政府筋に近いある友人から薦められた。「ダトゥ」(Dato’)とは、マレーシア各州の世襲制のスルタン(王)が与える貴族に相当する称号であり、氏名の前に「ダトゥ」がつくだけで大きな社会的ステイタスになる。もちろんそれに付随して多くの特権も手に入る。

 とんでもない。私はマレーシアに来て1年。マレーシアの国家や州のために積極的に多く貢献するまでにはまだまだ至っていない。むしろそれを励みにこれから頑張らせていただくことなら、喜んで致しますと返事した。

 調べる見ると、マレーシアは実に複雑な尊称や称号の存在する社会である。たとえば、「ダトゥ」(Dato’)のうえには、「タンスリ」(Tan Sri)があって、さらに上に行くと「トゥン」(Tun)と言う称号がある。「タンスリ」と「トゥン」は国家レベル、国王から授与される。
 
 たとえば、日本人お馴染みのマハティール元首相は、国王から最高位勲章及び「トゥン」(Tun) の称号を下賜され、マレーシアの新聞では、「トゥン・ドクター・マハティール」と称されているのである。ちなみに学位のある人は、たとえば博士号であれば、称号の下に学位号がついて苗字がくるという形になる。

 中国語では、「ダトゥ」が「拿督」と訳される。マレーシアの華語メディアでは、人名の前に「拿督」がつけられ、長ったらしい称呼と氏名の記載になる。

 ということで、マレーシアのために積極的な社会貢献をし、特に日本人という立場から両国の共栄互恵にしっかりした貢献をしたところ、そのときになって是非評価してもらいたいと、そう願っている。