儲かりますかマレーシアの不動産投資、夜景観賞分析法

 よく、友人から「クアラルンプールでの不動産投資」について意見を求められるが、私は人に「イエス」か「ノー」を答えるのが好きではないので、なるべくその人が自ら結論を導き出すようにアプローチを仕掛けるのだ――。

 インカムゲイン(家賃収入)についてはまず、コンドミニアムの入居率を調べること。入居率をどうやって調べるかというと、1週間毎日同じ場所で夜景観賞すれば、コンドミニアムの点灯率で概ね見当がつく。写真は、私が少し前に撮影したクアラルンプール中心部の夜景。

 ちなみに観測時間は夜20時~22時の間がよろしかろう。大体住民は帰宅しているし、早寝の人でもまだ起きている時間帯である。やはり、クアラルンプール中心部(ツインタワー付近)も入居率はそれほど高くないようだ。ならば、投資後の空室リスクと低家賃を覚悟しなければならない。

 現にクアラルンプールの家賃は全般的に安い。一部目玉が飛び出るほど安い物件があることも知っておくべきだ。分譲相場がどんどん上がってシンガポールや香港に追い付こうとしているが、賃貸は比較にならないほど安い。分譲相場と賃貸相場のかい離が何を意味するか、冷静に考えるべきであろう。

 さらに、マクロ的に考えてみよう。マレーシアの国土は、ベトナムとほぼ同じサイズだ。マレーシアの人口は3千万、しかしベトナムはその3倍以上で1億に迫っている。経済基盤のレベルと成長のスピードを見ても、まあ、ある程度の結論が見えてくるだろう。

 マレーシアにはまったくチャンスがないわけではない。有望な物件もたくさんあるのだが、いずれも100万リンギットという外国人最低購入価格を下回っているため、外国人は買えないのだ。あとは、私が強く興味を持っているのは農地。これも、外国人ではダメ。

 マレーシアは東南アジアで珍しく、外国人が土地を合法的に所有できる国である。だが、それで儲けられると短絡的に考えたら焼けどする。そういう話は、不動産屋さんがなかなか教えてくれないのだ。

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