<KL>酒場要素先行、スパニッシュ焼鳥店Palillosは面白い

 スパニッシュ焼鳥店。クアラルンプールで面白い店が見つかった――「Palillos ‘Spanish Yakitori Bar’ 」

 チャンカット・ブキビンタンの「Pinchos Tapas Bar」の2階にある店。話によれば、オーナーは日本人ではなく、バルセロナ出身のスペイン人だとか。全体的なコンセプトを見る限り、確かに「脱日本的」な要素が随所に見られる。

 まず焼き鳥の味からすれば、基本的に和風仕立てといえる。ところどころハーブが使われており、エスニック的だった。素材に関してはイベリコ豚が使われたり、スパニッシュ・スタイル全開のところもあって面白い。

 焼き鳥という素材に関して、料理よりもつまみ的な要素が強く、「酒場」ムードが先行する。その辺はむしろスパニッシュ的なトーンと息がぴったり合う。「タパス」を出す「バル」といえば、そもそも「焼き鳥」も「タパス」の部類に帰属してもさほど違和感がないほどの親和性をもっている。

 そういう意味で、スパニッシュ焼鳥という概念は自然に成り立つ。数字的な根拠もきちんとある――。

 スペインおよびスペイン語圏に特化した包括的なウェブマーケティングを支援する地中海マーケティング研究所は2013年、スペイン全国で15歳~70歳の男女1030人を対象に「日本に関する意識調査」を実施した。その結果によれば、好きな日本食は、「天ぷら」(555人)、「寿司」(522人)を抑えて、「焼き鳥」(613人)がトップを飾ったという。

 それは少々驚く。やはり、焼き鳥というアイテムに限って言えば、日本とスペインの親和性が抜群だったようだ。