人間性の悪と善、私利私欲と滅私奉公

 人間性は悪いだろうかという書き込みがあって考えさせられた。

 人間というのは善と悪の両面を持ち合わせていると思う。置かれた環境や制度といった外在要因、素養などの内在要因によって、善と悪のいずれか、あるいは同時に引き出されるのであろう。多く善が出ていることもあれば、逆のときもある。

 さらに、善と悪の定義付けや基準も人によっては違ったりするだろう。私利私欲に対する考え方も欧米とアジアでは違いが見られる。経済学的にはもそそも私利私欲を肯定的にさえ捉え、人間を経済的利益を追求する「合理的な存在」として認識している。

 ただアジア的価値観になってみると、滅私奉公の「善」化と私利私欲の「悪」化が一般的になる。それが特に日本式の会社経営のなかでは、絶対的愛社精神を求めたりすることは必ずしも通用するとは限らない、このような時代になってきた。

 殊に海外での企業経営において、愛社精神を過剰に追求することは私は賛成しない。人事制度はまさにこの辺の企業姿勢を如実に映し出す鏡である。