<投書>立花流中国マーケティング手法に異論アリ

<投書>立花流中国マーケティング手法に異論アリ

<立花からの回答>

  投書者: yusef 様
  投書日: 2009年3月27日

立花様

 初めてメールを出させていただきます。以前、立花さんの講演を聴いたこともあり、たまにブログを拝見しております。

 そこで、初めてのメールなのに恐縮ですが、立花さんの主張の中にある中国マーケティングの基本的考え方に異論があります。

 立花さんは、中国流の考え方、あるいは 中国人の“現在”の嗜好に迎合したほうが物が売れるという考え方をお持ちのようですが、果たしてこれは正解でしょうか?

 私は、立花さんの経営されていたアイヌランドにも、香港人、上海人とお邪魔したことがありますが、正直申し上げて、おいしくなかったので二度目はありませんでした。立花さんは講演で、「中国人の味覚、感性に合わせて日本料理も変えなければ.......」とおっしゃていましたが、アイヌランドに限ってみると、中国人の心を捉えているとはいえないと思いました。

 むしろ、共に行った中国人たちは、盛んに「ああしたほうが良い、こうした方が良い」と、アイヌランドの店内でこの店の方向性を話していましたが、要約すると、味、サービス、雰囲気共に、日本料理店の臨場感が足りないというコメントでした。

 私も、サービス業と製造業を上海で立ち上げて、共に5年以上続けていますが、現在の金融危機においてもBtoCにおいては、消費意欲は衰えておりません。

 私のこの国における商売上の基本姿勢は、「王道を行き、本物を提供する」と言うことです。

 この国の消費者は、本物に飢えています。本物であれば、提供されたサービス、モノが多少高くても、購入してくれます。あまり経験がない、大多数の消費者の嗜好に併せると本物ではなくなります。時間はかかりますが、本物を提供し続ければ、結果的に消費者がついてきてくれます。

 5、6年前になりますが、あるイタリア料理店に行った時のこと。イタリアからシェフも連れてきて、老洋房を使って大々的に営業していましたが、まずいのです。麺がうどんみたいに柔らかく、チーズの味もさっぱりです。シェフを呼び出して、「何でこんなイタリアンをだすのか」とクレームしたところ、中国人の客は、麺が固いと、生だと言うし、チーズも嫌いなので抑えているという回答です。この店は、1年で本格的なイタリアンを提供し続ける他の店に負けて、消えてなくなりました。

 「中国で商売するのだから投資額は安くあがるだろう」というのが、一般的に我々ここで商売する外国人が思うことですが、決してそうでないことは立花さんもお分かりだと思います。もちろん、我々外国人がここで商売するのに、街のマーランタン屋さんレベルの商売をするとしたら、地元の人にかないません。ならば、高額消費者に対して、非日常を演出してあげるのが、 我々外国人が提供するサービスだと思います。そのためには、金も時間もかけないとならないし、常に努力だと思っています。大変です。但し、日本のように、まだニッチな市場を狙わなくて良いし、王道を堂々と行けるのは励みになると思っています。

 余計なお世話とお思いかもしれませんが、影響力の大きな立花さんの発信する思想だけに、非常に気になり、長文のメールになりました。

一ファンより

<立花からの回答>