急いでどこへ行く?中国

 中国を脱出すると、肩からぐったりと力が抜けます。自然な笑顔がいっぱいのシンガポールでは、平和で心がすっかり和みます。中国の生活は、週に2~3回必ず誰かと衝突しますが、ここまでくると、シンガポール空港の清掃員のおばさんまで笑顔で会釈してくれます。同じマンダリン(北京語)でも、なぜか心地よい。

23007シンガポール航空機内

 昨日19時10発のシンガポール航空便が30分遅れの出発で浦東を飛び立つ。乗客が30%しかなく、厳重なマスク状態の乗客も数人いました。機内でシンガポール「聯合早報」をめくってみると、一昨日にシンガポール空港で新型インフルエンザ患者が見つかったとか・・・

23007_2シンガポール空港トランジットホテルでの夜食

 浦東空港では、私がインターネットで航空券を購入したときに使ったクレジットカードを持参し忘れたため、チェックインできないと言われて慌てた一幕もありましたが、番号を覚えていたおかげで無事飛行機に乗ることができました。飛行機が空いていたので、私の大好きな一列目の座席を使うことができました。エコノミー席が手狭なので、体の大きい私はいつも、非常口席か一列目を指定しています。足元が広くて、伸び伸びできるのが最高。最近、アメリカの航空会社が一部こういう座席に追加料金を取るようにしているようです。それも合理的ですね。快適度が全然違います。

 上海からシンガポールまでの飛行時間は5時間20分、機内でちょうど映画二本見終わったころ、タッチダウン態勢に飛行機が入りますので、都合が良い。シンガポール・チャンギ国際空港に、深夜1時の着陸。入国手続きもなく、そのまま空港ターミナルビルのトランジットホテルにチェックイン。

23007_3きれいなシンガポール空港構内

 シンガポール空港は、毎年のように世界ベストエアポートにランキングされるだけに、使いやすい。何よりも、緑と花がいっぱい。今日、シンガポール市内に出ることもなく、夕方の出発まで空港ラウンジで業務メールの処理や資料の作成に専念します。

 成熟社会のシンガポールは、急成長都市の上海にない貫禄を持っています。刺々しくなく、人に安心感を与えます。上海は、いくら高層ビルを建てても、ソフトだけはまだまだです。速度を求めるよりも、蓄積が大切だと痛感します。

23007_4先ほど食べた昼食、ラクサとサテー

 「一人の金持ちは一夜にしてできるが、一代の貴族を育てるのは百年かかっても足りない」、イギリス(?)にこういう諺があるようです。

 「狭い日本、急いでどこへ行く」よりも、「広い中国、急いでもまだ先が見えない」です。私もこの一週間だけはゆっくりします。

 最後に、20年前に先を急ぎすぎ、亡くなった若き命の冥福を祈ります。