東京出張(4)―危機一髪の脱出

<前回>

 本日16時、成田発の中国東方航空MU524便で、上海浦東に到着。

 東方航空は、どうやら着陸前に客室乗務員による体温計測がまず行われます。寝ている乗客は、乗務員が起こさずにそっと、赤い点をおでこに当てて計測します。人の気配を感じて目覚める乗客がびっくりして、何するんだという感じ。なるほど、衛生検疫という役人の仕事を、民間航空会社に外注するのですねと合理性を納得しましたが、事実は違っていました。着陸してみると、白衣の衛生検疫官が機内に乗り込んできてちゃんと2回目の本番体温計測を行うのではないか。だったら、客室乗務員の計測は何なんですかね。

 それは、さておいて、私が乗っていた8列目の後ろの11列目に、38度の乗客が見付かったのでした。案の定、何回も計測を行いましたが、38度のまま下がりません。すると、新たに検疫官3人ほど飛行機に乗り込んできました。合計8名の検疫官がミーティングを行います。5分後、結論が出されました。9列目から12列目(13列目は非常口通路でした)、いわゆる前後3列の乗客は、精査を行うことになりました。

 「ちょっと、夕方からお客様とミーティングと会食の予定ですが、これで我々も隔離ですか?・・・」
 「隔離かどうかは、これからの検査結果次第です。帰られることもあります。残ってもらうこともあります」
 「検査、どのくらいかかりますか?」
 「早ければ2時間くらいで済みますが、もっとかかることもあります、ミーティングは、キャンセルした方が良いと思います」
 「えっ?それはないだろう・・・」
・・・

 座席で運命が決まります。一列の差で私は、幸運にも釈放されました。

 非常時期ですので、仕方がありません。と言っても、会社の出張者はやはりリスク管理した方が良さそうですね。例えば、複数出張者の場合、違う便に乗るとか、同じ便でも前後座席をバラバラにするとか・・・

 早く、インフルエンザ騒ぎが終わると良いですね・・・とりあえず、私の1週間の出張はこれで終わりました。

<終わり>