総理やめても、シガーはやめません

24738キューバ人ローラーの実演

 金曜日は、上海ヒルトンの「リブレ・シガー・ラウンジ」で2回目の上海シガー倶楽部の会合がありました。参加者9名。今回は、キューバ人ローラーの現場実演があって、巻いてくれたシガーをその場で楽しむというプログラムでした。シガー巻きにある程度の予備知識があっても、実演見学は初めてで、臨場感溢れる場面に感動しました。特別に巻いてくれたスペシャル・ブレンド・シガーは、軽めで吸いやすく、初心者や女性の方にも好評でした。

24738_2その場で作ってくれたスペシャルな一本

 シガーといえば、日本キューバ・シガー教育協会 (CCA)の最高顧問は、麻生太郎内閣総理大臣が務めているのです。葉巻をこよなく愛する麻生首相の一番好きなシガーは、日本経済新聞夕刊(08年10月30日付)に紹介されていた内容によると、ホヨードゥモントレー・ぺティロブストだそうです。

 ホヨードゥモントレー・ぺティロブストは、私も大好きでよく吸います(ロンドンのヒースロー空港内のシガーショップで大量仕入れ)。やや短めのロブスト・サイズです。Robusto(ロブスト)とは、長い時間をかけて芳醇濃厚な香りをゆっくりと楽しむ太めのサイズです。この「ぺティロブスト」は、レギュラーロブストよりも短めで、30分から45分の短い時間で吸い終えます。たっぷりと喫煙時間の作れない忙しい人には最適です。一国の首相で、多忙であるはずの麻生さんにもぴったりですね。

 定かではありませんが、以前どこかで読んだエピソードがあります。森首相時代に、森さんが某外国首脳からスーツケース1個分の高級シガーの贈り物をいただいたそうです。そのシガーを得意げに吸っていると、麻生太郎議員(当時)が近づいてきて、「私にもそのシガーを一本くれませんか」と頼みました。しかし、森さんは「この高級シガーは、総理大臣にならなきゃ吸えません。君が総理大臣になったら吸わせてやる!」と断ったそうです。それで、麻生さんは「必ず総理大臣になってみせる」と意地を張ったそうです。

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24738b_3麻生さんとホヨードゥモントレー ぺティロブスト

 で、いよいよ、麻生さんは夢が実現、本物の総理大臣になった。この1年間、ずいぶんとバーでシガーを楽しんだことだろうが、もう少しで総理大臣の座から追われることになります。総理大臣をやめても、シガーをやめる必要はありません。けれど、同じシガーを吸っても、香りは変わるものでしょうか。総理をやめれば、もっとゆっくりと、レギュラーのロブストを美味しく吸えるのかもしれません。

 総理を辞めても、シガーはやめません! ・・・

 最後ですが、初代名誉シガーマスター、女優・川島なお美さんのお言葉(2004年11月29日受賞式上)をお借りさせてもらいます。

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 「シガーの扉を開けたら、それがなんとも薫り高き面白い世界で、いっぺんにはまりましたね~。やはりワインと同じように、農産物ではありませんか。太陽の恵み、そして土壌の恵み、そして作り手の情熱によって支えられている世界でしょう。大変ワインと共通するものを感じて,いっぺんにはまってしまいました。それにヨーロッパには「4つのC」という食後の楽しみ方があるということも大変興味深いことで、食事やワインを楽しんだ後は、「4つのC」、カフェ(Cafe)、ショコラ(Chocolat)、コニャック(Cognac)、そしてシガー(Cigar)。・・・(中略) シガーの似合う自分でいたい。そして、シガーの似合う男と女、というのは、「”本当の意味での”大人の男と女」、だと思いますので、そういう人に皆がなる方がいいかな?シガーに近づくには その「心」から、ということが一番大事だと思いますので、そういう気持ちでシガーと向き合って参りたい」