当社はお客様を選ぶ!

 「エリス・コンサルティングさんに、お客様を紹介してもいいですか。弊社が手掛けていない分野で、エリスさんの得意分野ですが、お客様をご紹介したい」

 先日、人事コンサルティング業界の同業である日系C社の総経理から連絡を受けた。C社の総経理は何回か私のセミナーに来られていた。

 まさか、競合他社からの顧客紹介とは、びっくりした。きちんとした上場会社の顧客J社で、真面目で真摯な総経理、経緯もすべて伺ったので、紹介を受け入れた。

 「同業といっても、当社では手を付けられない分野なので、大切なお客様をエリス・コンサルティングに紹介しました」

 C社総経理のスタンスは、完全に顧客思いである。感動した。顧客を紹介してもらったからといって、当社からC社に一切紹介料を払うこともなければ、恩返しとしての相互紹介もしない。

 当社、エリス・コンサルティングは現在、顧客を選ぶ!

 9名しかいない極微の零細企業で、なんと傲慢なことか、といわれても構わない。理由を申し上げる。当社は「超」の付く零細企業だ。業界でサバイバルしていくための唯一の手段は、成功事例をいかに確実に作っていくことだ。共通の理念を持たず、頓挫しそうな企業は、大変申し訳ないが、商売を断らせていただく。一緒にがんばって確実に成功事例に仕上げられそうな企業とだけ、取引をする。

 ということで、基本的に顧客の相互紹介はしない。しかも、顧客を選ぶ。このような「傲慢な」零細企業である。最大限の勝率を確保する!

 私自身は、アメックスのセンチュリオンカード(ブラックカード)の会員である。選ばれた顧客と選ぶ企業の喜びを一番知っている。大変幼稚ながらも、この理念を踏襲し、頑固なビジネススタイルに固執している。もちろん、これで商売のスケールが制限されてしまう。これは承知のうえだ。

 理念の一致しない顧客とは取引しない。解約を申し入れる。