チェコ紀行(10)~鴨・鹿・兎、ジビエ料理の醍醐味

<前回>

 夜のコンサートを控えて、遅めの昼食を取るために入ったのが、「ウ・モドレー・カフニチュキ(U modre Kachnicky)」。日本大使館近くにある、チェコ伝統の鴨料理やジビエ料理の専門店で、首相や有名人も訪れるという。

65950_2
65950b_2伝統鴨料理・ジビエ料理専門店「ウ・モドレー・カフニチュキ」

 「野生鴨の胸肉プラハ・ハム入りクランベリー・ソース、茹で芋パン付き」。――普段日本では野生の鴨はなかなか入手困難で、真鴨のオスと家鴨(あひる)のメスを掛け合わせた雑種である「合鴨」しか食べられないので、迷わずこの一品を注文。

 「血」の濃さを感じさせるのが、ジビエ料理の共通点。野生鴨の肉は赤味が強く、脂がほとんどついていない。原始的、本能的な風味に駆り立てられ、狩人気分になる。今回のチェコ滞在中は野生鴨のほかに、鹿やウサギなどジビエ系にも挑戦してみた。

65950_3野生鴨胸肉クランベリー・ソース
65950b_3ウサギ肉のロースト(他店)

 海に接していない内陸国家チェコでは、肉食が中心。代表的なチェコ料理は、グラーシュ。いわゆる肉の煮込み料理。全体的に、こってり系中心で、やや甘口に、柔らかく煮込むものが多い。

65950_4
65950b_4キムチ、海苔、カップ麺の出番、味覚調整で胃袋を癒す

 といっても、毎食のように肉が続くと胃袋がつらくなる。そこで、ソウルから持参したキムチや上海から持参したカップ麺の出番になる。

<次回>