ハナと一緒に暮らす日々、一日一日を大切に

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 朝の散歩から帰って、まっすぐ私のベッドを占領するハナ。窓外を眺める彼女は、何を考えているのだろうか。先日、悪性がんが発見されたハナは、今日もとりあえず元気だ。神に感謝するのみ。

 私は愛犬の病気で、勉強に取り組んでいる――。

 中~大型犬の場合、体が大きい分、小型犬よりも早いスピードで成長し、平均寿命が短めになる。体に対する臓器の比率が小型犬よりも小さく、負担がかかりやすくなっている。負担が多くかかることで、細胞の老化が早まってしまう。さらに大きな体を維持するために、小型犬よりも多く細胞分裂を行う。細胞分裂の回数が多い分、がん細胞の発生率が高くなる。

 ハナはベルジアン・シェパードの雑種で中~大型犬に分類され、平均寿命は10~12歳(国際畜犬連盟(FCI)データ)。

 推定12歳を超えるハナは、人間年齢では80代になる。理屈がわかっていても、心情的には事実を受け入れられない。自分のなかのこの葛藤は、人間にしか持ち得ない。動物は自分の病気やら余命やら、知るはずもなく、今日、今この瞬間を生きている。それだけ。

 人間80代のハナには、苦痛を最小限にしたい。そして、ハナと一緒に暮らす日々、一日一日を大切にする。神に感謝、ご加護を。

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