2024年4月29日、ゴン太四十九日の納骨式。ゴン太の遺骨は、私たちと同じ墓に入るのと、庭に独自埋葬するのと2つに分骨する。ゴン太が亡くなって1か月以上も経つが、悲しみは一向に軽減することはない。一緒に過ごした15年以上の歳月、思い出が鮮明に一つひとつ蘇る。
ゴン太は、新居の庭が大好きだった。引っ越してきた当時、土砂の山だった。少しずつ形が表れ、芝生ができ、緑も増えるなか、ゴン太は日々感慨深げにこの変化を眺めていた。ここに眠り、私たちと一緒にこれから咲く花々や茂る木々を眺め続けよう、ゴン太。時には蝶々となり、小鳥となり、美しい世界をさらに美しくしてくれることだろう。
朝から天気が快晴。10時30分、マーラー交響曲第2番終楽章が流れるなかで、納骨式が始まる――。何も失ってはいない。宿命のもとですべてが蘇るのだから、恐れることなどない。さあ、支度をするのだ、また生きるために。命は、しばしの憩いを経て永久に続くものだ。ふたたび花を咲かせよ。そのために種まかれたのだ。
――私はそう固く信じる。宗教を超えての信仰である。次なる生のために旅立ち、蘇るために死ぬ。よく生きるために死を知るのだと、哲学の深い示唆を愛犬が死をもって教えてくれた。いよいよ終楽章のフィナーレに差し掛かる。ゴン太よ、15年間の歳月、本当にありがとう。そして、必ず再会しよう――。
死は次なる生への旅立ち
蘇るために死ぬのです
お前は蘇る
またたく間に再生せよ
お前の心の鼓動がやんだ
ああ、神のもとへ
最期の鼓動がお前を神のもとへと運ぶのだ