ハワイ(6)~ビル・ゲイツ氏の「人生の晴れ舞台」、ハワイNo.1のリゾート

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 ラナイ島は、知る人ぞ知るという有名な島だ。といっても、私は行くことが決まって、ネットで調べたところはじめた知ったのだが、1994年の1月1日に、あのビル・ゲイツ氏は島を丸ごと借り切って、結婚式を挙げたのだった。

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 島を借り切るのは、メディア取材を振り切るためという目的もあっただろう。島だけでなく、噂では結婚式当日、同氏はアメリカ中のヘリコプターをすべて借り切って抑えたという。空中からのメディア取材を阻止するためだ。無理もない。ビル・ゲイツ氏のプライバシーはなきにも等しいが、結婚式くらいはメディア陣に邪魔されたくないわけだ。

 そして結婚式は、ラナイ島にある2軒のフォーシーズンズ中の一軒、「フォーシーズンズ・マネレベイ(Four Seasons Lanai at Manele Bay)」で挙げられた。今回、このホテルに6泊滞在することになった。

72827_3「観客席」から「舞台」を望む、フォーシーズンズ・マネレベイ

 ハワイNO.1と評さている「フォーシーズンズ・マネレベイ」は、まず、建築学的(地理学的)にその配置レイアウトが抜群に素晴らしい。フロポエ湾を見渡す断崖の上、リゾートが建てられている。リゾートの正面エントランスから入ると、吹き抜け空間をもつ2階のフロント階と1階のメインロビー階は、劇場の観客席をイメージさせる(私自身の観点だが)。そのまま真っ正面に、大きな開口部が舞台役として設けられている。その先は、緩やかの斜面の向こうに、どーんと紺碧の太平洋が広がる。

 次に、採光も工夫されている。館内のライティングはやや暗めにセッティングされている。外の、ハワイの燦爛たる太陽に照らされる太平洋と成される明暗のコントラストは、舞台と観客席のイメージをより鮮明に浮かび上がらせるものである。

72827_4フォーシーズンズ・マネレベイ

 最後に、色彩。館内は、控え目で上品なクリーム調だが、外は鮮やかな舞台である――。空、海、花、ビーチパラソルとビーチチェアは、まさに、シアン(緑青、碧)、マゼンタ(赤紫、紅)とイエロー(黄) の三原色で鮮やかに夢の世界を演出してくれる。

 ハワイは常夏の島として、雨季でも晴れる日がほとんど(ちなみに、私が今回訪れた1月は雨期である)。そして、ハワイ諸島の中でも、ラナイ島の晴天率がもっとも高いという。まさに、世界一、「人生の晴れ舞台」として、「フォーシーズンズ・マネレベイ」はビル・ゲイツ氏に選ばれたのだろう。いや、もしや、裏にプロのコンサルタントがいたのかもしれない(私の職業病的な思考回路だが)。

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