ハワイ(9)~食生活その二、ロコモコのルーツと米の存在意義

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 ロコモコ(Loco Moco)――代表的なハワイ郷土料理だ。白飯の上にグレイビーソースをかけ、ハンバーグとスクランブルエッグか目玉焼きを乗せた丼物。

73030_2ロコモコ(Loco Moco)、ホテル・モロカイ島の朝食

 ハンバーグの代わりに、テリヤキチキンやマヒマヒなどの具材を使い、それに合わせたソースなどのアレンジを加えたものもあって、「○×ロコモコ」と名前が付けられている。

 調べてみると、このロコモコのルーツはもしや日本人(日系人)に起源しているのではないかということが分かった。ハワイ大学のジェームズ・ケリー教授の研究によれば、遡って20世紀40年代にハワイ島でレストランを経営していた日系人のイノウエ夫人がロコモコのレシピを考案したという。

73030_3南国らしい食の景色

 いかにも日本的だ。ご飯をよそった丼に焼いたハンバーガー・パティを載せ、自家製のグレービーソースをたっぷりとかけて頬張る。「Loco」は「local」を語源として「地元」を意味し、「Moko」はハワイ語で「混ざる、ミックス」という意味で考えれば、なるほど納得。

73030_4ラナイ島フォーシーズンズの巨大ステーキ
73030b_4ラナイ島フォーシーズンズのターキーバーガー

 純粋たるハンバーグやステーキといった肉料理はとてもアメリカ的で、私個人的に日常食として考えられない。このロコモコになると、どことなく親しみを覚える。やはり、稲作民族と牧畜民族の違いは大きい。米の存在意義がまるきり違うからだ。ということで、ハワイ滞在中も毎日、肉や魚のメインコースとともに、ご飯をかきこむ私であった。

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