「労働節」に労働するのは労働節の真髄か?中国のいびつな連休

 昨日4月29日(月)から中国が労働節3連休に入ったが、当社の場合、ミャンマー事務所が稼働しているので、当然私は休めないし、メール対応と通常通りの業務をこなしている。

 中国の国定祝日連休カレンダーは毎年変わる。なるべく国民に連休を取らせ、また休暇消費を促進したいという意図はよくわかる。ただやり方に疑問を感じずにいられない。

 祝日に合わせて土日を勤務日にし、振り替え休日で連休を作るのだが、まず、合法性の問題。その調整によって7日間や8日間の連続勤務もあって、中国労働法上の「最低週1日休息」原則に反している。ただ政府が言ったことだから、いくらでも合法性を裏付けることができる。法の解釈と運用の任意性はいかにも中国らしく、もういうことはない。さらに、日曜日に教会へ行ってミサ礼拝をやるキリスト教徒は出勤で教会にいけなくなってしまう。中国憲法36条の「宗教信仰の自由」「宗教活動の保護」の問題も生じる。いくら無信仰国家といっても、どうか教会へ行かせてくれという国民も少数ながらいるわけだから。

 次に、合理性。平日が祝日になるのが、世界の常識だが、土日が勤務日になるのがいささか世界の非常識にならないか。土日に出勤し世界のどこに連絡しても皆休み。業務内容によって全く仕事にならないこともある。日本のハッピーマンデーは、祝日そのものを特定の月曜日に移動させ、土日と合わせて3連休にする。日本は土日中心調整型であるのに対し、中国は祝日中心調整型である。合理性といえば、どちらに軍配が上がるのだろうか。

 では、会社が勝手に休日の調整(リアレンジ)をしていいかというと、そうはいかない。中国の労働法で指定休日に従業員が働いたら給料が2倍にも3倍にもなるからだ。

 私自身の場合、「労働節」に労働するのは労働節の真髄ではないかと悟った今この頃だ。