法学博士授与式、「悪しき社会でも我から変えよう」

 卒業しました。2013年6月19日、華東政法大学から法学博士の学位を授与され、48歳の「高齢」でキャンパスを離れた。

99427_2華東政法大学、ありがとう!

 学位授与式で教授代表の挨拶の一節を感銘深く拝聴した。以下抜粋意訳する。

 「・・・卒業生諸君、いまの中国社会は良くない。政府も良くない。司法も良くない。裁判官もいいとは言えません。諸君はこのような現状に不満がたくさんあって、時には憤慨もしていることでしょう。この現状を変えなければならない。ただぶつぶつ愚痴をこぼすのでは、何も変わりません。ますます悪くなる一方です。でも、我々にはすぐ変えられるものがある。それは我々自身です。まず、我々自身を変えていこうではないか」

99427_399427b_3同級生と学位授与式会場風景

 「・・・司法改革をしなければならないと切望しつつも、諸君が最高裁裁判長になって、最高検察院院長になって初めて改革に取り組めると思ったら、何もできなくなる。ただ待つだけでは何も変わりません。だから、まず自分自身を変え、自分自身の周り、変えられるところから少しずつ変えていこうではないか。すぐにです。今からです。諸君はこれから裁判官になろうと、弁護士になろうと、企業法務部部長になろうと、経営者になろうと、どんな職業に就こうと、たとえ平平凡凡の一サラリーマンになったとしても、必ずすぐに変えられるものがある。社会が悪いことを理由に文句ばっかり言って、自身の変化に取り組むことを怠ったら、諸君は不幸になるだけです。約束します。自分を少しずつ変えていけば、必ず報われる。必ず幸せになれる。諸君、幸せになれ」

99427_4学位授与式会場にて

 誠実な学者はまだまだ中国の中にいる。本音をここまで語ってくれたことに、私は深く感銘を受け、母校に感謝を込めてお別れの挨拶をした。

 「悪しき社会でも、我から変えよう」