実現不能のBestよりも欠陥あるBetter

 7月21日の参院選に合わせて、日本出張の航空券を購入した。しっかりと一票を投じたい。

 4年前、2009年8月の選挙を思い出すと、私は当時のブログでこう書いた。「・・・肉と魚しかない。肉が腐りきっていることだけは分かっている。魚の状態は未知で、あまり良さそうにも見えない。・・・自民党と民主党、どこが違うか良く分からない」

 4年後のいま、2013年7月、ようやくその違いが少し分かるようになった。今度は魚が完璧に腐り切った。虫も湧いているし、ハエも飛びまわっている。さあ、肉はどうであろう。鮮度はともかく、いまのところ魚よりはるかにまし、その違いも一目瞭然。

 選挙はどうしても熱を帯びやすい。街宣車がうるさいなか、政治家の美麗字句に惑わされることなく、批判的な思考をもちたい。今度は自民党圧勝がほぼ確実だろう。私はあえて野党の声に耳を傾けてみた。賃金低迷や円安による物価上昇などを挙げ、アベノミクス批判や自民批判があっても、対案らしい対案は一つも出されていない。これじゃ、ダメだ。

 企業の人事制度や経営改革も同じだ。必ず反対する社内野党は大声で叫び、改革案のあらゆる欠陥を見つけては批判する。じゃ、どうすればいいのというと、対案が一つも浮かばない。批判は大変結構なことだが、批判だけで問題解決にならない。一つの改革案を批判したうえで、少なくともそれよりBetterな対案を出してほしい。これこそが責任ある野党ではないか。

 世の中、実現不能のBestよりも、欠陥あるBetterがはるかに価値を有する。美麗字句も痛烈批判も簡単だが、問題解決だけは誰でもできることではない。アベノミクスは決してBestではない。けれど、これよりBetterがない以上、これで行くしかない。あとは、日本国民自身の責任だ。政治家がダメだとか、国が悪いとか、不幸の原因をなすりつけても、結局、何も変わらない。

 私は自民党を応援する。所在地の大阪選挙区柳本卓治氏を応援する。