<ソウル>明洞タッカンマリ、鶏鍋のために冬がやってくる

<前回>

 ソウル滞在2日目。朝食は韓国粥を予定していたが、総量コントロールの関係上、割愛して早めの昼食にした。補足するが、「総量」とはカロリーではなく、胃袋の容量のことである。

 11時、「明洞タッカンマリ」(명동닭한마리)に入店。

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 「タッカンマリ」とは、鶏一羽まるごとを鶏ガラスープで煮込んだ鶏鍋のこと。いうまでもなく、出汁、スープが最重要だ。この店の場合、ナツメなど数種類の韓方(ハンバン)食材と鶏の足を12時間以上煮込んでいる。

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 鍋の具材には鶏肉のほか、トッ(餅)やジャガイモ、ネギが入っていて至って素朴。鶏は食べやすい大きさにカットされて出される。鶏肉はぷりぷりして歯ごたえがよく、ほろっとほぐれるほど柔らかい。スープは煮込むほど鶏肉の旨味で濃厚な味わいが深まる一方。湯気が立ち上る中、冬ならではの幸せが体中に浸透していく。いや、冬はこの鶏鍋のためにやってきたとさえ感じてしまう。

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 何よりもタレと具材の相性が素晴らしい。タレは好みで自分で調合する。すりつぶした唐辛子に薬味を合わせたタデギがベースで、それに醤油や酢、おろしニンニク、そしてニラを入れてよく混ぜて、はい出来上がり。

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 酒のつまみにはやはり海鮮チジミ。熱々のチジミ、もう幸せ。

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 締めくくりは、カルグッス(手打ちうどん)。鶏の出汁がたっぷり含まれるスープにツルツルのうどんがよく絡み、これはどんなに腹一杯でも食べられてしまう魔法の絶品である。

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 はい、ご馳走様でした。ソウル最後の夜はやはり、焼肉。

<終わり>