移住は目的ではない、幸せが目的

 クアラルンプールはなんと、4位入り。――「アジア太平洋地域渡航先ランキング2015(渡航者数)上位10都市」(Master Card)。しかも、2位・3位のシンガポールと東京には僅差。

 1位 バンコク 21.9百万人
 2位 シンガポール 11.8百万人
 3位 東京 11.8百万人
 4位 クアラルンプール 11.3百万人

160212-1007-KL-Merdeka Square(独立広場)_02

 いつの間にか、クアラルンプールがここまで人気が出たのか。地味だが・・・。住民として嬉しい反面、諸物価の上昇も懸念せずにいられない。とはいっても、頑張ってほしい。

 自分にとっても、クアラルンプールはいままで住んできた上海や香港、東京に比べて、もっとも住み心地のよい街だ。ただ、人それぞれなので、私の正解は必ずしも他人にとっての正解になるとは限らない。

 私がボランティアで発足させた「マレーシア移住の会」も気が付いたら、総数2000名近くになっていた。これも含めて「マレーシア移住」について意見を求められることが非常に多い。

 大変失礼だが、その多くが「移住」という結果ありきで、私からその確証を取ろうとしているのではないかと推測する。そこで確証となるポジティブなことをいうと、「やっぱりそうですよね」と嬉しそうだが、反証となるネガティブな事実を並べると、すぐに肩を落としてしまう。

 「マレーシア移住の会」は、フェイスブック上でも最近情報交換が盛んに行われている。会に参加した方々でマレーシア関連の情報を求め、「教えてください」という姿勢が多く見られる。それが気になって、先日、私は次のように注意喚起のコメントを投稿した――。

 まず、情報を自力で検索してほしい。ネットですぐ手に入る情報なら、安直に「教えてください」と言わないこと。その代わりに、「私は、ネット検索したら、○○の件について、A情報とB情報がありましたが、皆さんどうでしょうか」。そこで、「いや、実はB情報が間違っている」「C情報もある」と、こうして議論が深まるのである。

 次に、情報の提供者の偏向について。私を含めてアップしている情報は個人ベースで仕入れた情報で、ある意味で偏向性がある。見ている皆さんには鵜呑みにせず、必ずフィルタリングをかけてほしい。さらに、自分の商売に繋げていくための投稿もあるだろう。商売は悪いことではない。それは皆さんのニーズに本当にマッチしているかどうか、批判的に、主体的に見て判断してほしい。

 最後に、「マレーシア移住の会」というのは、「移住ありき」にしないこと。いろいろ情報を仕入れて、最終的に「移住しない」というのも立派な決断である。その決断を出すために、「移住の会」が踏み台になって価値を提供できればこれ以上嬉しいことはない。

 移住は目的ではない。幸せが目的だ。