ホーチミン市の物件建設進捗、不動産投資雑感いろいろ

 ホーチミン滞在中、昨年6月に投資目的で買ったコンドミニアムの建設進捗を見に現場へ向かった。今春に基礎工事が終わり、いまは4階までできた(写真の右棟)。予定していた2017年末の引渡し、辛うじて大丈夫だろう。

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 人生初めての不動産購入であった。自分の価値観では、固定資産の購入や投資に積極的ではない。94年上海駐在した当時、上海のマンションを2、3室買っておけば、もう大金持ちではないかとよく言われる。

 駐在員時代、住宅費は全額会社から支給されるので、マンションを買って巧妙な手口で会社に貸し、自分が住みながら毎月のローンは会社経費で支払われる。数年の駐在で帰任の際、マンションは自分のものになっていた。そういう駐在員は何人も知っている。その後高値で売り飛ばして数千万円もの利益を手にする強者も中にいる。

 その「巧妙な手口」は倫理上の問題があるのも事実だが、そもそも自分は不動産投資に興味がないし、不動産でお金を殖やしたいという意欲もない。不労所得とかの善悪問題よりも、取引コストの問題だ。

 不動産で儲けるということは、調査から選択、購入、保有、メンテナンス、賃貸、売却という一連の取引を前提とする。取引には取引コストがかかる。仲介費や弁護士費、修繕費、税金、保険といった見えるコストもあれば、時間という見えないコストも忘れてはいけない。

 時間コスト、しばしば機会損失を意味する。不動産投資を生業とする人はそれは、そのコストがあってしかるべきだが、私はそうではないので、本業から時間を割くことに強く抵抗を感じる。

 ベトナムでの不動産購入は、どちらかというと、投資をあまり意識していない「衝動買い」でもあった。市場全体的にホーチミン市はまさに90年代初頭の上海になぞえられる。人口密度、若年層の増加傾向、経済成長や外資進出等を見て、今後の10年くらいは伸びるだろうと感じた。

 ベトナムで仕事をも始めた暁には、コンドミニアムの1室くらい買ってもいいのではないかと、それだけ単純な気持ちで昨年、外国人への不動産購入解禁と同時に買った。1年後のいま、この物件の外国人購入枠がすでに完売したようだ。