モーリシャスのセントレジスでは、私が大失態を演じる。
セントレジスのプライベートビーチ
このリゾートには、グリル、インド料理、アジア料理、日本料理とフランス料理という5つのレストランがある。4泊には、1日1軒でちょうどほぼ一巡できる計算で楽しみにしていた。
しかし、チェックインした直後に知ったことだが、このリゾートはなんと、全館全レストランの夕食は長ズボンを必要とするドレスコードだった。
セントレジスは高級ホテルであることは知っていたが、ただどんな高級ホテルでもビーチリゾートの場合、通常メインダイニングのフレンチかイタリアンだけが厳格ドレスコード対象で、プールサイドや海辺のオープンエア席くらいは楽な格好でも問題ないはずだと、自分はそう思っていた。
全室ヴィラタイプ
まさか全館全席対象とは想定していなかった。私は長ズボンを持ってこなかった。もう一度予約確認書を出してみても、ドレスコードの言及はまったくなかった。
ビーチが目の前、1階の客室からダイレクト・アクセス
「ホテルのホームページに、レストランの紹介がございます。そのなかに、ドレスコードがすべて記載されていますけど」。担当マネージャーの説明には、あまり愉快な気分にはなれない。
宿泊ホテルのホームページ、しかも全レストランの詳細まで丁寧にチェックしなかった私に責任があるとは思うが、ただ全責任かというと少々納得できない。
客室のバルコニーが大きくて気持ちいい
せいぜいホテルで夕食を食べなきゃいいじゃないかというと、それも無理がある。このリゾートが位置する地域は世界遺産である景勝地内にあって、周辺には「街のレストラン」たるものは一切ない。車を数十キロ走らせないとレストランにはありつかない。
まさか、毎日ルームサービスというのか。だんだん悔しさと少々の怒りが込み上げてきた私は、地域総支配人のメールアドレスをくださいと求め始めた。事態が深刻化することを知ったホテルの管理陣は、妥協案を出してきた。初日の夕食はルームサービスをホテルが無料で提供すると。
時間がすでに遅い。妥協案を受け入れたほうが賢明だと判断してOKする。20時30分、客室に届けられた2人分の夕食は、前菜とメインとデザートのコースである。ビーフもラムチョップも上等。
それに、ラム酒工場で買ってきたラム酒を出して飲むと、肉料理との相性が抜群だった。
客室のバルコニーでルームサービスをいただく
翌日の観光は、運転手兼ガイドに一部の予定変更を依頼せざるを得なかった。時間はかかったが、市内のショップで何とか私のビッグサイズ長ズボンを2本見つけた。それで、めでたく、2日目からの夕食問題が解決。