アラブの旅(28)~<番外編>スリランカ航空搭乗記

<前回>

 今回の中東湾岸諸国の視察旅行には、コロンボ経由のスリランカ航空を利用した。理由は2つ――。他社比較してビジネスクラス航空券が最安値だったことと、ワンワールド加盟社でマイルの積算対象となること。

 結論からいうと、あまり期待していなかった分、印象がとても良かった。

 クアラルンプールとコロンボ間は、A330型機のレギュラー式のフラットシート配置だが、シートピッチは広い。僅か3列だけのレイアウトとは、ビジネスクラスにしてはかなり贅沢だ。

レギュラー式配置

 シートピッチとは前席と後席との距離で、この距離が長いと足元のスペースが広くなる。したがって、シートピッチと機内の快適度は正比例の関係にある。エコノミークラスの場合は、各社とも31インチ~34インチの標準仕様で大差はない(非常口席と1列目は例外)。ビジネスクラスになると、結構バラつきが大きい。同一航空会社でも異なる機種やレイアウトによって差が大きい。

 コロンボと中東(往路クウェート、復路ドバイ)間は、A330型機のヘリンボーン式配置。通路に対し斜め向きに座席を配置する方式である。

ヘリンボーン式配置

 この斜め配置のメリットは、なんといっても1-2-1配列で全ての座席から直接通路へアクセスできることだ。若干デッドスペースが多くなるが、その分専用テーブルができて便利だ。

 クアラルンプール・コロンボ間の飛行時間は3時間強。コロンボ・中東間は4時間強。飛行時間からすれば、せいぜい中距離だが、なぜか機体や、特にビジネスクラスの配置はしっかりLong-haul(長距離)仕様になっている。消費者には嬉しいことだが、航空会社の経営観点からすれば無駄が大きい。理由は分からない。

 食事は洗練されているとは言えないが、しっかりしているし、味も悪くない。パンのほかに、熱々のナンもサーブされるので、それは有難い。カレーとナンだけでもスリランカに上陸した気分になる。

 さらに、復路のコロンボ・クアラルンプール便は早朝便で、スリランカ式朝食を選べるのが嬉しい。朝からカレーを食べると何となく元気が付くのである。

スリランカ式朝食

 小さな問題は1つ。それは空港の問題になるのだが、乗り継ぎの環境が良くない。コロンボはバングラデシュやインドなど西アジアからの労務輸出の中継地になっているため、中東方面への出稼ぎ労働者が大量に殺到する。乗り継ぎの時間によっては、空港内で寝泊まりする人も多く、あまり環境が良いとは言えない。

 そこで一般客がこぞってラウンジに殺到する。ラウンジも超満員状態になる。ただ我慢できないほどの悪環境ではないので、何とかサバイバルできるだろう。

 と、長い長い13泊14日の中東湾岸諸国視察旅行を終え、1月9日にクアラルンプールへ帰着。旅行記も28回連載という自己ブログ史上の最長記録となり、これで終了させてもらう。

 人生は旅。旅は楽しいものだ。

<終わり>