西側のプロパガンダ、民主主義諸国は全体主義に向かう

 日曜日、クアラルンプールは快晴。プールに浮かびながら、いろいろ考え事をし、思いを馳せる。

 2年前、私は「トランプは勝つ」と言った。が、トランプは勝てなかった。今、私は「プーチンが勝つ」という。さあ、どうだろうか。

 トランプ落選からの2年、私はたくさん学んだ――。嫌いな人でもその立場に立ち、その目線でものを見、その思考回路でものを考え、その論理を理解すると。善悪や損得、価値判断を一切排除して。ヒトラーになってみる、フセインになってみる、習近平になってみる、そしてプーチンになってみると……。

 それは断然異なる世界が見えてくるのだ。もし私が彼(ら)だったら、ということだ。今言えることは1つ――。もし私がプーチンだったら、同じことをしていただろうと。憎んでもらっても結構だ。

 事実判断=プーチンはなぜウクライナに侵攻したのか?
 価値判断=侵略はとにかく悪い。プーチンを叩け!

 2つの重要ポイントがある――。
 
 1点目はまず、戦争が悪だというのは「価値判断」であるのに対して、戦争の存在は「事実判断」であることだ。日本国憲法は、事実判断を価値判断で否定するという非論理的な規定を行った。次に2点目。日本によるウクライナの戦争支援は、正義の戦争もあると、日本は自ら「価値判断」の無謬性を否定したことだ。

 以上2点によって、日本国憲法の論理性は、徹底的に破綻した。2点目は単なる補強に過ぎないが。もう一度繰り返す。「戦争反対」「地震反対」と同じレベルである。

 ロシアは何回もNATO加盟を申し出ていたが、米国がそれを断った。それは、NATOとの分断をもってロシアを敵にしたかったからだ。責任は米国にある。しかも、ソ連崩壊時の約束を破ってNATOの東方拡大を進め、ロシアにとっての最後の砦であるウクライナにまで浸透した。米国はソ連がキューバにミサイルを配置するのを容認しなかった(キューバ危機)。なら、ロシアにも同じことがいえる。

 唯我独尊ではなく、我々の民主主義は、多様性を尊重すると言っている以上、独裁制や強権をも排斥せずに、謙虚にその長所を学ぶべきだろう。民主主義に自信が有れば、そういう比較を恐れることはあるまい。レッテル貼りで道徳批判するのは自信の無さの表れにほかならない。

 ウクライナ戦争における西側の洗脳とプロパガンダは、トランプ叩きの当時を凌駕していた。欧米人は(も)既に愚民化された。トランプが大統領在任中に度々メディアに向かって「フェイク」と怒鳴りつけたことを思い出す。

 一般人は誰もが民主主義が天下無敵と信じ込んでいる。自惚れする。中国批判も同じだ。

 中国の「ゼロコロナ」が失敗した、と西側メディアがいう。額面通りゼロにならなかったところを言っているのだろう。ただゼロは無理でWithコロナでやろうといったらどうなるのか?中国は1億人以上が感染していたかもしれない。医療崩壊どころか、火葬場崩壊だ。そうならなかったのは、ゼロコロナのおかげだ。ゼロといって辛うじてここまでできたと。

 会社の人事考課で目標設定するが、大体少々無理な数字を出している。その理由は何か?達成できないのを分かって高すぎる目標を設定するのは、従業員に緊張感を持たせるためだ。ゼロコロナ政策は同じ原理だ。愚民の統治には帝王学が必要だ。しかし、西側諸国では愚民が帝王になった。そもそもゼロコロナ政策自体が不可能だ。

 と言ったところでいささか嫉妬で中国のいわゆる「ゼロコロナ失敗」を西側が嘲笑しているのではないだろうか。私は中国嫌いだが、価値判断でなく、事実判断でものを言っている。中国悪やロシア悪が「符号化」された時点で思考停止に陥る。

 西側の大本営発表がおかしいことに気づく日本人はどんどん増えている。世の中一辺倒の情報を見ると、まず疑う。アンチ洗脳!日本のメディアは、ほぼ100%、ロシアは悪、ロシアは負ける、ロシアに不利な情報の垂れ流し。プロパガンダと言論統制は、中国と変わらない。これが民主主義国家といえるのか。親分のアメリカもまた然り。

 アメリカの社会学者チャールズ・ティリー(Charles Tilly)はその著作『民主主義』(Democracy, ケンブリッジ大学2007年刊行)のなかで、「脱民主化」について4つの症候(特徴)があると指摘する――。

 その1、自由で公正な選挙が悪化し、不正が発生すること。その2、言論の自由、メディアの自由と結社の自由が弱化され、反政府派の活動が制限されること。その3、政府の司法や官僚に対する法治が弱化され、司法の独立が脅かされること。その4、政府が過剰に国家安全に対する外部脅威を煽り、「危機感」をつくり上げること。

 以上のほぼすべてが昨今の米欧日、民主主義諸国にみられる。私が繰り返してきたが、独裁国家の強権は可視的で分かりやすいが、民主主義国家の全体主義・強権はより隠蔽的でフェードインする。

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