正札販売に徹する、値引き交渉に一切応じない経営方針

 北京セミナー終了後、事務所と定例の業務連絡を取ったら、労働仲裁や訴訟の報告がきた。

 先日、上海での労働仲裁のM社は、会社の大半勝訴で裁決がきた。M社の担当者はとても喜んでいるという。同時に、またもや新規の労働訴訟の依頼が来ている。仲裁で2連敗したK社労働者が裁判所に持ち込んで訴訟を提起したという。それはもちろん労働者の権利ではあるが、よくも懲りずにやるものだねと呆れた。労働仲裁や労働訴訟の無料、低料金化の功罪は明らかだ。

37279_25月12日北京セミナー

 就業規則審査依頼打診のR社から、コンサルティング料金の値引き交渉が来ている。去年の料金表が2万元だったのに、なぜ2万5000元になっているのか、2万元以下のフィーでやってくれないかと。何回も言ってきているので、取引を断りなさいと事務局に指示した。

 値引き交渉は悪いことではない。が、単なる額面の交渉では何の意味もない。それよりも、費用対効果の評価という根拠に基づいて対話をもちたい。1万元の投入で2万元の効果、10万元の投入で20万元の効果、さあ、どっちを取るか。単なる価格交渉だけなら、「1万元が安い。10万元が高い」ということになってしまう。何事もインプットだけでは意味がない。アウトプットを冷静に評価してもらいたい。費用対効果で、価値が認められなければ、当社との取引をやめればよい。

 当社では、所定の顧客会員優待料金以外に、値引き交渉には一切応じない。A社は交渉せずにきちんと正規料金を払ってくれている。しかし、B社が値引き交渉すれば、B社に割引料金で提供する。これでは、A社に対して甚だしい不公平である。なので、当社はたとえば商売を断念してでも、正札販売に徹する。値引き交渉を想定して、上乗せしての定価などはしない。

 ここ2年、受注増にともない、数回にわたり料金を引き上げているのが事実だ。改定後の料金に納得できなければ、当社への依頼を断念してもらうしかない。