旅立ちにパソコンの影なし、ゆっくりと流れる時間と共に

 金曜から月曜までは、大阪と札幌出張だ。

 「お忙しいですね」。最近会う人に必ず言われるのがこれ。日本も中国も、「お忙しいですね」は一種の賛辞。日本語の「ご多忙中・・・」に、中国語は「百忙之中・・・」。いずれも、できる人だから仕事が多く、忙しいというふうに解される。

 けれど、異なる角度から見ると、「忙しい」とは必ずしもプラス評価ではない。「効率が悪いから忙しい」「許容範囲を超えた仕事をやらされている(or 取っている)」・・・といった意味だ。

 手帳をめくってみると、11月はすでにほぼ塗りつぶされている。12月も三分の一埋まっている。これはさぞかし自分も忙しいと思う。

 気がついたら、最近ゆっくりと読書したのはいつだったかなと思いつかないほど、ここのところ業務情報や資料以外の本はほとんど読んでいないことだ。

 これじゃダメだ。人間がダメになってしまう。

 最近2~3日程度の短い出張には、パソコンをもっていかないことにした。業務メールを社内の事務局でチェックしてもらい、緊急以外は出張中に私に連絡してこないように指示した。ゆっくりと時間が流れていくのを追って、思考するためだ。

 ということで、今回も私のバッグにはパソコンの影がない。