<雑論>エッフェル姉さん / 中国のメカニズム / 詐欺メール / 女性の自立 / 日本の劣化 / 露軍の武器

● エッフェル姉さん

 自民党女性局38名を引き連れてフランス研修に出発した松川るい参院議員。ところが「研修」とは名ばかりで視察時間はわずか6時間。挙句、パリ・エッフェル塔で華麗にポージングを決めた写真をSNSにアップし、国民から大ブーイングを受けた。ネット上では「エッフェル姉さん」とまで呼ばれる始末だ。彼女のキャリアも大きく傷ついた。

 パリ研修も観光も(What)問題ではない。ただ問題でない問題を問題にしているのが大衆(Who)で、それが新たな問題になった。彼女が「What」と「Who」の関係を理解できないのは、統治者の学問、人の上に立つための学問、帝王学の学習が不足しているからだ。松川氏に1票を投じた私はそれでがっかりした。

● 中国のメカニズム

 中国外務省は8月12日、日中平和友好条約の締結45年に合わせ記者の質問に答える形で、「日本との協力強化希望」を主旨とする報道官談話を発表した――。典型的な中国流。まずは、「仁至義尽」――。仁も義もあらゆる善意を尽くす。次は、「敬酒不吃吃罰酒」――。丁重に勧められた酒を断るが、罰として力で押し付けらたら受け入れる。これは、嵐の前兆、前段階である。

 話が変わるが、ここ数日(2023年8月中旬)、習近平による「ロケット軍」幹部の大粛清に関する報道が多い。たとえ習近平が失脚したとしよう。それで中国は変わるかというと、変わらない。中国共産党が変わらないからだ。共青団やら反習勢力やら、最近秦剛外相の解任やら軍の粛清やら、所詮外野の希望的な観測に基づく興味本位のネタづくりにすぎない。

 派閥闘争の各方面に、共産党の支配維持というベクトルだけは、しっかり一致している。それから、習近平の敵になり得る党内勢力はあるのか?答えは「NO」。早い段階の更迭人事は必須で、習の支配基盤が安定している証である。

 こういうネタは、メディアが視聴率や閲覧率を稼ぐためのツールにすぎない。大衆は、本質の抽出ができず(しようとせず)、表面的な事象に興味本位的に捉えるだけだ。メディアはそういう大衆が客層だから、報道姿勢もそうならざるを得ない。

 さらに民主主義国家の傲慢さも問題だ。民主は必ず独裁に勝つ、と勝手に思い込んでいる。私は、民主主義が進歩をもたらすものではないと思っている。リー・クアンユー元シンガポール首相も1992年に香港での講演でそう言った。私の気付きよりリー氏の発言は20年も早かった。これから気づく人は、リー氏より30や40年以上も遅れるが、気付かないより気づいたほうがいい。

● 詐欺メール

 詐欺メールは、いかにも外国人が作成した不自然な日本語メールだったりする。それで、われわれは詐欺師を馬鹿にする(私もその1人だった)が、実はそうではないらしい。先日、某専門家から聞いたことだが、詐欺師はわざとそうした不自然で幼稚なメールをばらまく場合がある。それにはまる馬鹿もいるので、詐欺師はそういう馬鹿を選んでいるからだ。いわゆる一次選別作業といってもいい。なるほどと思った。犯罪もマーケティングの「セグメンテーション」が必須だ。因みに今の時代は、AI翻訳を使えば、かなり正確な日本語版を入手できるはずだ。

● 女性の自立

 8月20日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、今田耕司が女性タレントに向けて問いかけた「旦那の給料」発言が、スタジオで総ツッコミを浴び、女性陣から「時代錯誤」とお叱りを受けた。

 いわゆる「女性の自立」に反するから、罵倒されるわけだ。「女性の自立」が世の中唯一の「善」だとすれば、自立したくない女性、そして自立したくない女性を養いたい男性は「悪」になるのか?世の中、すべての女性が自立したがっているわけでもなければ、すべての女性が自立できるとも限らない。

 女性はそれぞれの価値観、人生観、幸福観と能力に合わせて、それぞれ自らの意思に従いライフスタイルを決める。それを認めることこそが民主主義のダイバーシティ、多様化原則ではないか。「女性の自立」を唯一化するポリコレは、民主主義を名乗った悪質な独裁で、思想独裁であり、西側主導の第二次文化大革命である。

 世の分断を煽り、民衆を戦わせることによって利益を得るのは、支配層・特権階級にほかならない。

● 日本の劣化

 『国家の劣化はたった1人の政治家が引き起こす』(2023年8月15日付東洋経済オンライン)は、良記事。戦後の日本国家の劣化について、3点を指摘した――。
 ① 哲学なき政治の支配
 ② 民主主義の形骸化
 ③ 儒教的教育の断絶

 言い換えると次になる――。
 ① 思考停止=無脳
 ② 権利主張=無能
 ③ 礼節喪失=無礼
 注: 有能者はやたら権利主張をしない。日本社会の同調空気をベースとする「和」は、決して礼節ではない。

 シンガポールがなぜ成功したのか?リー・クアンユいわく「一人ひとりのシンガポール人が全員、個人事業主だ」。つまり組織や国家に頼らぬ自立した個であることだ。国家が崩れても国民個人がサバイバルしていける国家は、絶対に崩れない。しかも強くなる。日本人に最も欠落している「魂」だ。

● 露軍の武器

 ウクライナ軍がある奇妙なことに気付いた。ロシア軍はなぜか一部米製武器を使っているのだ。中国系メディアがその入手ルートを追ってみた――。敗退するウクライナ軍が捨てたものもあれば、露軍がウクライナ軍の武器弾薬庫を襲って戦利品として得たものもある。さらに闇市経由のものもあるらしい。

 何よりも重大な発見がある。なんと露製武器に大量の米製部品が使われているのだ。闇取引も含めて迂回ルートでハイテクの半導体チップを含む米製部品が続々とロシア国内に運ばれている。では、米国はなぜ部品の輸出を全面禁止しないのか。それは商売だからだ。ある意味で、ロシアが米製軍事部品を使うのも米国の利益になる。

 酷いと思われるかもしれないが、世界はそういうものだ。正義とか価値観とかよりも、すべて経済的利益だ。

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