中国人はなぜ日本に義捐金を寄付しないのか?

 「立花さんのブログ(義捐金の呼びかけ)を見て、私も少ないお金ですが、赤十字に義捐金を送りました。会社でも募金をやり、金額に関係なく、みんなで送ろうと呼びかけましたが、結果的に、中国人従業員は一人も応じてくれませんでした」

 今日午後の打ち合わせ終了後、大震災の話になると、B社の日本人マネージャーが肩を落とした。「四川省大地震のとき、日本企業も、日本人も義捐金を送りましたけれど」・・・

 実は、このB社だけではない。私が担当している日系企業で、何社も同じような状況だった。

 寄付は、各人の自由だ。私は非難する立場になく、非難するつもりもない。しかし、深く考えさせられた。

 多くの中国人は、「もらう喜び」を知っていても、「与える喜び」を知らないのだ。

 長い歴史と文化の経緯があって、決して彼たち道徳上の問題ではなく、ただただ、真の幸福についてあまりにも無知なだけだった。

 「与えなさい。そうすれば、自分も与えられる」(新約聖書・ルカの福音書6章38節)。

 現代中国で、不幸があるとすれば、それは信仰と宗教を失ったことだ。功利主義者は、宗教に包含される哲理を看過する。それは、まさに彼らの最大な不運である。

 「与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを与える人は、それによって自分自身の喜びと満足を与えられる」――ウォルト・ディズニーの言葉は、まさに聖書のコピーだ。宗教の哲理の実践者として、ウォルト・ディズニーは世界的実業家として歴史の一頁を書き上げた。

 「与えられる」ことを求めるよりも、まず「与える」。このような精神が欠如している中国では、多くの喜び、幸福、そして機会を失っている。大変残念に思う。