月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人なり

 今回、私がバリ島のビーチで読む本で選ばれたのは、日本を代表するコンサルタント、大前研一氏の「旅の極意、人生の極意~添乗員・大前研一が案内する15のプレミアムツアーから学ぶ、大前流・人生を豊かにする技術」。

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 同じ経営コンサルタントといっても、格こそがまったく違うが、大前研一氏とは多くの共通点を有してる――。同じ早稲田大学理工学部出身で、しかも、メーカー勤務を経てのコンサルタント転身。そして、諸問題の捉え方や観点、価値観についても、共鳴を覚える部分が大変多い。

 今回の一冊はまさに、このような一冊だった。

 「私にとって長期休暇は神聖なものだ。何があってもそれを守る。これは鉄則だから、仕事よりも優先させる」と、大前氏が語る休暇の取り方。

 私自身も旅や休暇をかなり優先順位の高いものとしているが、さすが、仕事より完全優先で、神聖な地位を与えるところまでは至っていない。

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 「旅とは人生そのものである。『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人なり』。一度しかない人生をより楽しく豊かにするためにも、やりたいことはすべてやる」 

 大前氏の旅のスタイル、人生のスタイルは、独自の哲学を基礎としているだけに、凡人にとってなかなか真似できるものではない。しかし、私は一生懸命学びたいと思うし、また、社員にも共有できるよう、教育したいと思っている。

 大前氏が本の中で案内する15のプレミアムツアーは、通常のツアーとは別物で、なかにかなりお金のかかるものも含まれている。だからこそ、「どうせ、大前さんのような大物だからできることだ」と諦めるべきではないし、そのまま無理して真似する必要もない。大切なのは、われわれは我々自身の15のプレミアムツアーをもつことではないだろうか。いや、15じゃなくてもいい。10でも、5でもいい。そして、「そのうち」ではなく、今すぐ旅を始めよう。

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