行動が伴わない美辞麗句、日本人の劣化は目に余る

● 日本批判と日本崩壊論

 私の日本批判に対して、「在外の自虐史観」と非難する人がいる。「在外」は間違いない。ただ、「史観」ではない。現在進行形だ。それから、「自虐」と「自省」は異なる概念。「自虐」は、歴史に対する規定や総括で完結するものであるのに対して、「自省」は自己批判と脱皮、再生を目指す将来志向のものだ。

 自虐=昔の私はこんなにダメだったのだ、ダメだダメだ。
 自省=今の私はこんなにダメなのだ、だから直して再起しよう。
 そして、自省は、自信の表れだ。

 私の「日本崩壊」論にこんなコメントが来た。「いずれにせよ、世界は崩壊する」。「みんな一緒に崩壊するなら、崩壊も怖くない」というのも、日本人特有の集団意識、道連れ根性だ。日本型組織の中では、優秀な者の存在を許さず、足を引っ張る。それだけではなく、悪いことが訪れると、サバイバルする者を許さず、集団不幸、全滅で心のバランスを保とうとする。

 嫉妬心理で、非常に陰湿だ。しかし、世界では通用しない。世界秩序が変わることがあっても、世界の一斉崩壊はあり得ない。

● 焼身自殺の必要はないけれど

 米ワシントンのイスラエル大使館の前で2024年2月25日、米空軍の現役隊員の若い男性が、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ侵攻に抗議し、焼身自殺した。

 日本人の皆さんよ、イデオロギーの主張なら、これくらいの覚悟と行動力が必要だ。反中を唱えながらも、日々中国サプライチェーンから安い生活コストのメリットを享受している、せいぜいそれだけはやめよう。みっともない。人格が疑われる。東京の中国大使館前で焼身自殺する必要はない。せいぜい中国サプライチェーンを断ち切って、八王子の山奥で自給自足の生活をしていることだけを主張すればいい。それだけのこと、できますか?

 亡くなった米兵に最高の敬意を表し、ご冥福をお祈りします。

● 反論と雄弁

 私に対するあらゆる反論、反対意見は、大いに歓迎する。ただ、それらが論理的で、深みがあって、建設的で、簡単に論破されないものであってほしい。議論を通じて当事者や傍観者を含めて我々全員の知見を深める。そうなってほしい。

 「立花さんは、早稲田大学雄弁会出身ですか」と聞かれた。NO!沈黙は金、雄弁は銀というが、金の上に、哲学というプラチナがある。雄弁は三流だ。哲学をもたない者は、永遠に一流になれない。

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