がんばれ香港

 香港の学生運動はまだ継続中。

 木津さんのブログが如実に現場の状況を反映していると思う。短期的な経済損失はいうまでもない。ただ、経済利益と民主主義を天秤にかけるとすれば、その価値判断があまりにも明白なものであろう。

 そして、すでに民主主義の恩恵や権利を得ている者は、この学生たちの行動を批判する余地はない。

 ガンジーがいう、「不服なとき、非暴力は、もっとも強い武器である。それは人間の英知によってつくられたあらゆる武器よりも、強いものである」

 がんばれ香港の若者たち、がんばれ香港!応援します!

コメント: がんばれ香港

  1. 立花先生の若者の熱血をポジティブにとらえたいというお気持ち、大変素晴らしいと思います。一方でそれは、若者を理想化し過ぎた、「若者はこうあって欲しい」という想いの投影に過ぎないのではないかとも思います。

    実際、中国に住む身であってみれば、「100平方メートルのマンションと民主主義の選挙権」、どっちを選ぶ?と中国人の若者に問いかければ、どう応えるかは、明白過ぎることです。

    ともあれ、いずれにせよ、香港はとうの昔に中国に帰属してしまったのであり、それに抵抗も反対もしなかった日本人は、民主化運動に過度の期待をすべきではないでしょう。運動が激化すれば、ほんの偶然であっても、一人の若者の命が失われかねず、それは二度と取り返しのつかないものであるからです。

    1. 大里さんのお考え、賛同できませんが、よく理解できました。コメント寄せていただき、ありがとうございました。

  2. 「マンションなどどうでもいい、一票の権利がほしいという者も大勢いることだろう」

    このお言葉こそが、立花先生のお立場をよく表しています。マンションなどどうでもいいなどと言えるのは、マンションをすでにお持ちの方か、いつでも買える方か、立花先生のように志にのみ生きられている方かのいずれかのみです。一般の香港人(もちろん、中国人も)は皆、マンションがなければ結婚すらできないと考えています。
    一票の権利で、マンションが買える世の中にできるかもしれないと考えているからの民主化要求です。
    それが全てでないにしろ、民主派には意図的に、そのような誤解を利用している側面があるのは、否定できないところでしょう。

    1. 大里さん、デモ参加の学生の真の動機付けは取材しないと分かりません。民主主義どうでもいい、マンションさえあればいいというのも一つの価値観と人生観ですから、それも尊重します。ただ、大里さんが日本人であれば、私も同じくすでに一票の権利をもっている人間であれば、マンションと民主主義制度を天秤にかけることができないのです、この仮説が成立しないからです。マンションと選挙権をどっち取るか、マンションを取った場合、選挙権がはく奪されるわけではありません。若者の熱血をポジティブに捉えたいというのが、私の考え方です。

  3. 「黙っていたら言論の自由もない中国の共産社会にすぐのみ込まれる。返還後に中国の富裕層の買いあさりで不動産が高騰し、私たちはどんなに働いても一生、小さなアパートすら買えなくなった」

    学生たちの叫びですね。
    気になったのは、「中国の富裕層の買いあさりで不動産が高騰し、私たちはどんなに働いても一生、小さなアパートすら買えなくなった」の部分です。これはいわゆるワーキングプアの状態で、世界的な現象です。グローバル化によって、労働の価値が下がったということです。お隣に中国がある香港はその影響をモロに受けた形になります。
    だから、中国が民主制度でないことと、学生たちがワーキングプアになるということはあまり関係がないと言えます。実際のところ、中国中央政府の政策がなければ、香港人は今よりもっと貧しくなっていた可能性が高いです。
    立花先生が常日頃おっしゃられているように、経済的に豊かに成りたければサバイバル能力を高めるしかないわけです。民主制度になったからと言って、ワーキングプア状態から抜け出せるわけではありません。
    民主制度になれば、むしろ一層貧しくなる。民主派リーダーは実は、そのことを知っていながら、事実を隠し、民主化により豊かになれると誤導してるのではないか。
    そのような疑問は出てこないでしょうか。

    1. 大里さん、ご指摘の問題はまさに、「結果の平等」と「機会の平等」の問題です。民主主義は後者への制度的担保であって、決して豊そのもの、結果を担保するものではありません。

      1. 平均サラリーマンの生涯賃金の何倍ものお金を出さないと買えないマンションばかりになってしまったとしたら、「機会の平等」と言われても・・・というところでしょうね。
        実は、マンションを手に入れられる可能性は、民主主義が保証する「機会の均等」よりも、中国政府による保護政策のほうが高いと知ったとき、それでも民主主義を支持する学生がどのくらいいるか疑問がありますね。
        香港の学生が求めているのは、民主主義なのか、マンションなのか?

        1. 民主主義は制度の担保で、結果に直結して論ずる場面ではありません。基本的な言論の自由や選挙の自由を求めるものであれば、すでにこれらの権利を確保されている我々日本人が安易に評することを控えたいと思います。マンションなどどうでもいい、一票の権利がほしいという者も大勢いることだろうから、あくまでも今回のデモの主題に直視したいと思います。少なくとも私個人的に、デモの参加者の個別的動機付けを推量する立場にありません。

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