マレーシア移住に不安要素、現地のインフレと円安

 マレーシアの6月のインフレが3.3%に達し、昨年の2.1%に比べるとかなりの伸び率である。

 中国に比べると生活費はまだ安く感じるが、ただ現地感覚でいうと今年に入ってからの物価上昇は決して無視できない。つい最近ガソリンの値上げは相当騒がれている。HSBCマレーシアの統計を見ると一般家庭の借入がここ1年12.7%も急増していることが分かる。マレーシア人で生活苦で悩む人も確実に増えてきている。

 年金など日本国内から収入を得る在住日本人にとって、昨今の急激な円安が二重のマイナス要素になっている。当面新規移住者の増加にブレーキがかかりそうだ。むしろ、マレーシア国内のインフレよりも、日本人にとって円安がもっと大きな問題なのかもしれない。

 円安で海外投資や移住を躊躇う心情はよく理解できる。ただ、いまの相場は円安といえるのだろうか。この先さらにじわじわと円安にぶれることはないだろうか。私はこの辺の専門家ではないのだが、感覚的に1ドル120~130円という自分の相場観をもっている。ならば、いまはまだ円高の時代とさえ言えてしまうのではないか。

 このへんの相場変動のヘッジといえば、やはり現地あるいは他の海外でリンギットやドル収入を少しでも確保するほかないだろう。であれば、単に定年を待つのではなく、現役時代にアクションを起こすべきであろう。

後日の続編