日本文化の海外への発信。これを考察するのが今回「べにや無何有」に泊まる目的の一つ。
「べにや無何有」は、「ルレ・エ・シャトー(Relais & Châteaux) 」の加盟メンバーである。
日本ではあまり知られていないが、1954年にフランスで誕生したルレ・エ・シャトーは、世界的権威を誇るホテルとレストランの会員組織である。ルレ・エ・シャトーは創業当時より、5Cで表される基準による厳格な審査をクリアしたホテルとレストランのみに加盟を認めてきた。
選択基準となる5Cとは、Courtesy (心のこもったおもてなし)、Charm (洗練された魅力ある空間)、Character (特色や個性あるスタイル)、Calm (落ち着きやリラックスできる場所)、Cuisine (質の高い料理)で、この5つの要素がすべて満たされていなければならず、すべてにおいて本物であることが求められている。
修道院を利用したホテルやアフリカのサファリロッジ、日本の名宿、田園に佇むレストランなど、個性あふれ魅力的なコレクションは、2012年現在、世界60か国に518のホテルとレストランの加盟が認められている。
とにかく個性と独自性、卓越性が求められる――「世界のどこにでも、世界にただひとつ」。
ちなみに、日本のルレ・エ・シャトー加盟メンバーは、12件。
● オテル・ドゥ・ミクニ (東京)
● レストラン サン・パウ (東京)
● 別邸仙寿庵 (谷川温泉)
● あさば (伊豆・修善寺)
● 強羅花壇 (箱根)
● 扉温泉明神館 (松本)
● べにや無何有 (山代温泉)
● 柏屋( 大阪)
● ラ・ベカス (大阪)
● 神戸北野ホテル (神戸)
● 古今青柳 (徳島)
● ホテルアナガ (淡路島)