<雑論>名と実~ウクライナ戦争とバチカン外交 / ブルーカラーの時代 / 日本人の謝罪

● 名と実~ウクライナ戦争とバチカン外交

 「名」と「実」がある。ロシア本土侵攻を含めて、ゼレンスキーは「名」の戦いであるのに対して、プーチンはウクライナ東部にフォーカスして「実」の戦いに徹している。

 民主主義の指導者は、「名」があって初めて「実」がついてくる。しかし、権威主義の指導者は、逆で「実」があっての「名」だ。独裁権威主義の指導者は「見られ方」を気にしない。しかし民主主義はまず、「見られ方」。西側メディアはロシア領土がウクライナに侵攻されて、「プーチンの面目が潰れた」と騒ぐのも、自分の目線から見た世界だ。

 ロシア本土を侵攻したのは、ナポレオンとヒトラーに次いで、ゼレンスキーが3人目だ。ウクライナは、当時のフランス帝国とドイツ帝国と比べたらいい。勝ち目があるのか?

 バチカン(ローマ教皇庁)は8月27日、中国政府が天津教区のカトリック司教を正式承認したと発表した。ロイター通信によると、バチカンの意向に沿う形で、司教は2019年に前任者から教区を引き継いだという。バチカンは声明で「中国との対話の成果だ」と強調した。

 中国のカトリック信者は、政府の公認教会と非公認の「地下教会」に分裂している。中国とバチカンは国交がなく、司教任命権を巡って長年対立してきた。この1件で、中国がバチカンに屈服したかのようにみえても、バチカンの内在的論理を中国は理解し、賢い戦略転換に踏み切ったと考えるべきだろう――。

 司教任命権という「名」よりも、任命された司教という「実」を掌握すればいい。地下教会を放置して米欧・西側の勢力に利用されるよりも、上辺の任命権をバチカンに渡し、地下教会の地上化にしたほうが効果的だ。さらに近い将来にあり得る国交樹立によって、バチカンと台湾が断交すれば、「神が台湾を見捨てる」ことでインパクトが大きい。非常に賢い戦略転換だ。

● ブルーカラーの時代

 人事労務コンサルをやっていて、いちばんの夢は、Blue over White――。優秀な現場ワーカー、技術職の給料が平凡なオフィスワーカーを超える、そういう時代の到来だ。産業人材不足は、労働市場のバランス失調を意味する。私は、学歴軽視・無視派だ。そもそも大学過剰、教授過剰、教育産業の金儲けに終止符を打たなければならない。マレーシアでは、この仕事に手を付けたいと思っている。成功しないかもしれないが、やってみたい。

● 日本人の謝罪

 日本人は、失敗や過ちを認めない、謝らない、と指摘する人がいる。同感だ。補足すると、日本人がよく謝るのは礼節上の枝葉的な謝罪であり、実質的な失敗や過ちを明確に認めた上での真の謝罪ではない。さらに枝葉的な謝罪の裏に隠されている本質的な根源にタッチするのがタブーになっている。故に、日本社会は自省して進化する機能を持ち合わせていない。