銀行離れ、中国国有銀行の銀行員転職が相次ぐ原因

 銀行離れ、中国国有銀行の銀行員転職が相次ぐ。4月26日付ドイチェ・ヴェレが報じた。

 銀行員、しかも国有大手銀行。これまでは人気就職先中の人気就職先だった。なぜ人気なのかといえば、そりゃあ決まっているじゃないか。給料が高いし、福利待遇もよろしい。何よりも安定性が魅力的だ。ではなぜ辞めるの?

 賃金の業績連動化が離職を促す主因の一つになっているようだ。さらに賃金引き下げや賞与の削減ないし取り消しだけでなく、社員旅行の「安・近・短」というような福利カットもモチベーション低下を招来している。

 「安定」という概念は薄れつつある。組織の流動性増加は個人にとってまさに「アンチ安定」的な施策だが、組織の再生や活性維持では欠かせないものであろう。

 このような硬直性破壊、流動性導入があらゆる改革の共通項ではあるが、それはもちろん既得利益集団からは猛反対を食らうだろう。反対勢力を押し切って改革を最後まで断行できるかどうか、目が離せないところだ。

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