「担当者のミスだった」、上司や責任者のあるべき姿とは?

 企業現場で対顧客トラブルが起きたとき、上司や責任者が出てきて「担当者のミス」とし、謝罪しつつもよく見ると担当者の責任になっていたことがよくある。日本企業にも最近多く見られる。

 二つの可能性がある――。

 可能性その一、実際に担当者の判断ミスや操作ミスが原因であった場合。仮にそうであっても、教育研修の不徹底なり指示の不明確なり管理の不行き届きなり、最終的な責任はそれこそ上司や会社責任者にあるわけで、逃げることができない。

 可能性その二、上司の指示によって担当者が業務遂行したところ問題を起こし、そこであたかも上記可能性一であるかのように、現場担当者に責任をなすりつける場合。これは責任所在の偽装工作だ。上司としても責任者としても失格をはるかに超えた非常識だ。

 経営者や管理職の職業倫理とは何か、再考してほしい。もちろん、私自身も含めて。

<次回>

コメント: 「担当者のミスだった」、上司や責任者のあるべき姿とは?

  1. 立花先生の会社でのお話でしたか。それならば立花先生がルールなので、何も言うことはありません。

    でも難しいですよね。実際多くの企業では、上司が部下のせいにすることを容認しているのではないでしょうか。

    部下が上司のミスをさらに上の人に訴えて、それが通るということが多発すれば管理全体が成り立たなくなる現実がありますね。組織では、多かれ少なかれ、上司が言ったことには間違っていても絶対服従が基本です。それができないならば、立花先生がよくおっしゃるように会社を去るのみですかね。

    どの程度まで、部下の部下の意見を取り上げてやるかどうかは、かなり恣意的なものにならざるえないのではないでしょうか。(たとえば、特に有能で将来性のあるスタッフだから取り上げてやるとか)。

    1.  当社取引先某社(当社が顧客の立場)内の話です。私が指摘しているのは、上司の間違った指示に服従する部下ではなく、間違った指示をし責任を部下になすりつける上司です。念のため。

      1. なるほど。他社の件ですか。そうすると、もしかしたら、それはその上司の責任ではなく、上司の上司の責任かもしれないわけですね。

        1.  まさに!私もそういう疑念をもっています。上司の上司の所為、そういう可能性も大いにあります。ただ立場上私が第三者でそれ以上首を突っ込むことができませんので・・・。腑に落ちない一件でした。

  2. もう一つの可能性があります。

    日本の商慣習で、対顧客でAは自分自身のミスを自分自身だけでは処理できないことになっている。つまり、平社員が自分のミスを顧客先で認めるときは係長を連れて行かなければならないし、係長が自分のミスを認めるときは、課長を連れて行かねばならず、課長が・・・という形になっている。そのため、自分のミスを自分の裁量だけで処理しようとした場合には、部下の責任にするしかない。自分のミスを自分の裁量で対応できるのは社長だけ?

    いかがでしょうか。

    1.  実務上の責任と管理責任・統括責任という二つのレベルの責任を分けて考えるべきでしょう。上司は「Do the Right thing」(正しい判断・指示をする)。部下は「Do the thing Right」(指示を正しく実施、遂行する)。本稿の背景となるA社事案は、上司の指示そのものが間違っていたことが判明しました。部下は指示された通り実施しただけでした。いわゆる、部下は「Do the Wrong thing Right」、間違った指示を正しく実施、遂行したということです。ただ、当初からその上司は「担当者の誤認」「担当者の対応の不備」と責任を完全に部下になすりつけたのでした。それは筋が通らないので、私が出しゃばって乗り出してしまいました。そのまま放置すれば、部下が将来昇進しても同じことを真似してしまうので、容認できません。

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